プーチン大統領の歴史観

by 西 鋭夫 June 18th, 2026

異例中の異例

プーチンさんがアメリカのあるジャーナリストのインタビューに応えたこと、それ自体が世界的な第スクープです。普通はありえません。

プーチンさんは安倍元総理が好きでした。安倍さんもプーチンさんが好きでした。でも、お互いに2時間も話すわけがないでしょう。カールソンはそれをやってのけたのです。しかもバイデンさんから見たらプーチンは天敵ですから、「FOXをクビになったあのバカ野郎が、モスクワ行ってプーチンと2時間も話しやがっただと。この野郎」と、そんな感じだと思います。

しかし、あのインタビューの様子は本当にお見事でした。全米が見ています。私も見ました。

 

講義のような語り

その中で私が特に感心したのは、プーチンさんがロシアと近郊の国々との歴史について、延々と、しかもかなり詳しく語っていたことです。

カンペなんてありませんよ。「日本の総理大臣はカンペなしで、日中戦争や朝鮮戦争、第二次世界大戦について10分、15分と話せるのかな」と思いながら聞いていました。「プーチン、これは大したものだ」と感じました。そのプーチンを敵に回した日本です。

プーチンさんの語りはいわば講義のようでした。お見事です。表面的ではなく、話もお上手でした。

 

不満

インタビューの中でもう一つ際立っていたことは、プーチンさんが欧米に対して強い不満を抱いていることでした。皆さん、共産主義であったソビエト帝国が崩壊し、新たな資本主義国としてロシアは生まれ変わりました。それゆえ、イデオロギーの争いは存在しておりません。

しかし、欧米社会はロシアに疑いの目を向け続けているのです。体制が変わっても同じじゃないかと、疑い続けているのです。そして他国を侵略するのではないかと考えている。

勝手な妄想を立てて、ロシアを悪者にして自分たちの安全を考えた。だからNATOがいまだに必要になったのです。本来、冷戦の終結によって消滅すべきNATOがいまだに続いている。ロシアが怖いからです。

冷戦後のロシアは世界の仲間はずれのように見えます。自分は仲間に入りたいのに、周りからずっと疑いの目を向けられてきた。そして勝手に包囲網を築かれた。ロシアの立場に立って考えることも必要ではないかと思います。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
プーチン・カールソン対談(2024年3月上旬号)-2

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。