運との向きあい方
組織に入って働くことになると、部下は上司を選ぶことは出来ません。人事にはどうしても時の運という要素が絡み合ってくる。運も才能のうちかと言われたら、その通りです。
皆さん、運がいい男や女など、本当にいるのか、と思うでしょうが、本当にいるのです。もうダメだと思った時に、運のいいやつはそこに何か救いがあるわけです。救いのある人と、ない人がいる。
では、運気を変える方法はあるのか。それは、「今」いる所から「動く」ことです。同じ場所にいてはダメです。運気は回ってきません。ですからとにかく動くのです。東京にいたら大阪に行く。大阪にいたら名古屋に行く。鳥取に行く。札幌へ行くのです。皆さん、運というのはその土地にあります。そして自分と合う所があるのです。
アメリカ留学
私は大阪で生まれて岡山に疎開し、そのあとは適当に勉強して、関西学院に行きました。それまで、勉強が好きだとか嫌いだとか考えたこともなかった。本を読むのは好きでしたが、全部小説でした。
それで、いまだによく分からないのですが、何を思ったかアメリカの大学院に行きたいとなったのです。「とうとうこの子はおかしくなってしまった」と、母親は半分、泣いておりました。
それでアメリカに行って初めて、「ああ、俺は話が通じない」と思ったのです。生まれて初めての挑戦でして、睡眠時間を三時間にして頑張りました。今までそんな状況に置かれたことはなかったのです。初めて「挑戦された」というやつです。大阪にいて、京大か阪大に行かなければいけないと思ったことはありません。でも、アメリカに行って初めて、「勉強」という意味が分かりました。

行動する
運気を変えるには場所を変えること。例えば会社だったら転職するということです。転職です。その時、もしあなたが一人なら、一年くらい休憩しなさい。いわゆる細胞の刷新をするのです。何か好きなことをやりなさい。釣りでも良いでしょうし、ゴルフでも良い。金が尽きたら働く。皆さん、それぐらいの勢いです。
これからの日本人は八〇歳が普通になります。もう一〇〇歳になると陛下から銀杯がもらえるらしいのですが、一〇〇歳が多すぎて、天皇家からはもう銀がなくなってしまうかもしれませんね。そういう世の中で皆さん、五五歳、六〇歳、六五歳、あるいは七〇歳になったら退職しよう、仕事を辞めようなどと、そんな浅はかな考えは捨てなさい。何の意味もない。
辞めて何をするのですか。家でぼーっとしているのですか。テレビを見ても面白くないし、映画を見ても面白くないです。皆さん、一番楽しいのは健康で何か自分の好きなことをやることです。
人間は働いていると、いわゆる自分が何か手を動かし、頭を動かしていると活性化するのです。これは間違いない。だから私など辞めようと思ったこともないです。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2022年8月下旬号 出世と人事-4
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

