御用学者
「御用学者」という言葉があります。国や企業の立場を代弁したり、時の政権に迎合したりする学者たちです。大学と政治の癒着は、今後さらに強化されていくのか。政治と大学は互いに利用価値を認め、利益を分け合っていくのか。
テレビをご覧になると思いますけれど、土日には二〜三時間のニュース解説番組があります。ところが、そこに出ている学者さんはいつも同じ。そして、ハッとするようなことを言われません。驚きと感銘のハッです。「うわぁ、そういう見方もあったのか」ということがない。なぜか。そんなことを言ったら、その人はどこかから復讐されるのです。
政府にやられるのか、企業にやられるのか。それとも「あなたはもう○○省庁に意見しないでください」とやられるのか。それでマスコミのニュースはこんなにも面白くないものになっている訳です。
メディアの質
私はアメリカのことを時々褒めますけれど、皆さん、アメリカのマスコミを見ると驚きますよ。私はもう慣れていますけれど、「おい、もっといい考えがあるだろう」と、もう侃々諤々です。
ですから、見ている人は非常に勉強になる。「うわぁ、そんな意見もあったのか。そんなことも言っていいのか」というくらいです。そして、こういう人たちはマスコミから外されません。
逆に、私のようにズバズバ言う人は、日本のテレビではなかなか出られない。誤解しないでください。私はテレビに出たいのですよ。ディレクターやプロデューサーに紹介してくれる人がいれば、会いに行く訳です。
しかし、どのテレビ局かは言いませんけれど、ほとんどのところが、プロデューサーやディレクターと五〜六分話をするだけでもうダメ。向こうはその時に、「西先生は先に収録をしなければいけませんね」と言う訳です。先に収録の意味が分からないので、「ああ、最初にビデオに録るのか」と聞くのですが、すなわち「この発言はいい、これはダメ」という編集するのです。
私は五社ぐらいから、その場でお断りされました。最初は驚きましたけれど、「うわぁ、こういうシステムなのか」と理解した。ですから、私みたいにはっきりものを言うやつは全くダメなのです。
相手にされない日本の大学
マスコミの規制があるように、日本の大学にも御用学者が生まれやすい土壌がある。そのためか、日本の大学は世界大学ランキングのトップ一〇には見当たらない。

アメリカの雑誌『U.S. News & World Report』によると、二〇二二年の世界大学ランキング一位はハーヴァード大学、二位がマサチューセッツ工科大学、通称MIT、三位がスタンフォード大学です。
世界の大学ランキングから日本が取り残されている。皆さんご存知の有名な旧帝国大学は入っていません。それではトップ二〇には、と聞きたくなるかもしれません。しかし皆さん、オリンピックのマラソンで二〇番目に入ってきた人を覚えていますか。一〇番目も覚えていないし、興味もないでしょう。
日本ほど教育が大好きで、ランキングをつけるのが大好きな国はないのに、日本の最も有名な大学、文京区にある、赤門とか何とか言われている大学。名前はど忘れしてしまいましたが、世界ランキングでは七七番です。そして京都の有名な大学は一二七番。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2023年9月下旬号 大学崩壊-4
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

