狂犬・マティス

by 西 鋭夫 May 28th, 2026

アジアで何が起きているか

トランプ政権になって、最初に動いたのが国防です。国防長官のマティスさんが、韓国、そして日本を訪れた。これは非常に重要な意味があります。次の戦いの場所はどこか。これはもうアジアです。仮想敵国は中国です。これはもう決まっている。だからアジアに来た。

ヨーロッパにはNATOがあります。これはソ連が強かった時代に、それを止めるためにアメリカが主導して作った連合です。しかし今は違う。トランプさんとプーチンさんは、お互いに敵だと思っていない。むしろ、いい金もうけの話はないかという関係です。

その一方で、オバマさんは8年間アジアを放ったらかしにした。その間に中国がやりたい放題やった。それを見ていたアメリカの軍人たちが、ええ加減にせいと。絶対この中国を抑えてやると。そういう流れです。



北朝鮮と中国の関係

そこで出てくるのが北朝鮮です。北朝鮮は中国の鉄砲玉です。ミサイルを撃ちまくる、原爆の練習をする、水爆実験までやる。非常に危ない。

ここで一番危ないのは日本と韓国です。それを中国がニコニコして見ている。これはアメリカにとって許せない。だからマティスさんがアジアに来た。韓国と日本に行って話をする。それだけでも中国に対しては大きな抑止になります。ああ、これ以上やるとアメリカが出てくるぞと。

尖閣諸島の話も同じです。中国はあそこでこれ以上張り切れない。なぜか。やればアメリカが出てくるからです。横浜から第7艦隊が出てきます。沖縄からも出てきます。

 

日本に求められる役割

ではアメリカは日本に何を求めているのか。これははっきりしています。日本に強くなってほしいということです。

日本軍というと語弊がありますから自衛隊と言いますが、この自衛隊にもっと動いてもらいたい。再軍備という言葉がありますが、もう再軍備はとっくに終わっています。日本には陸軍も空軍も海軍もある。ただ、一戦もやっていない。だから実戦ができるような自衛隊になってほしい。必要なら応援する。これがアメリカの考えです。

もし戦争になったらどうするのか。兵隊は足りるのか。ボランティアだけでいいのか。そういう話になれば、徴兵制という話も出てくるかもしれない。アメリカは18歳からです。日本も18歳からにしろという話になる。選挙権も18歳、少年法も変えて、大人は18歳。すなわち徴兵ができる年齢に合わせる。

そこまで考えているのがアメリカです。そしてそれを一番怖がっているのが中国です。北朝鮮は放っておいても撃てません。撃ったら終わりですから。だから今、アジアで起きているのは、日本と韓国を強くして、中国を抑えるという構図です。この流れの中に日本は完全に組み込まれているということです。

しかし今この段階で、日韓両国には不協和音が流れているわけです。アメリカから見ると「ふざけるな」と。歴史論争の前に目の前を見ろ、敵がいるだろう、と。そんな世界です。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
安倍トランプ会談の真相(2017年2月下旬号)-6

 

 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。