相思相愛
タッカー・カールソンによるプーチン大統領へのインタビューに戻りますが、彼はさらにとても興味深い質問をしております。それは、バイデン大統領が選挙に敗れ、次の新しい政権が誕生した場合、ロシアはアメリカと意思疎通する可能性はあるのか、というものです。
知る人ぞ知る話ですが、プーチンさんとトランプさんは、プーチンさんと安倍さんのように仲が良い。人にはやはり好き嫌いがあるのですが、プーチンさんとトランプさんは相思相愛のような関係です。お互い尊敬していますし、嫌いじゃない。
しかし、インタビューでプーチンさんは、バイデンさんに勝ってほしいと言いました。その理由は、もちろん憶測ですが、単純なものだと思います。すなわちそれは「バイデンさんだと、俺が右向け右と言ったらそうしてくれるし、簡単に罠にかかる。アメリカをボロボロにできる」というわけです。アメリカが弱くなると、ヨーロッパは完全に弱くなります。そうするとウクライナは放っておいても自滅。そのシナリオをプーチンさんは描いているのです。しかし、相思相愛のトランプさんが大統領になったら、アメリカは強くなるから、筋書き通りにはいかない。そういうことだと思います。
大統領選の行方
今のアメリカの選挙は誰もコントロールできません。アメリカ国民は必死なのです。いや皆さん、アメリカの選挙のあの凄まじさは恐ろしいほどです。酷いとは思っていないです。凄まじいという表現が本当によく合うのです。
5~6日前に、バイデンさんの演説がありました。あの方はよぼよぼですから、どんな演説をされるのかなと、私は最初からずっと見ていました。そうすると、最初から怒鳴っているのです。「えっ、この人はこんな声が出たのか」と驚きました。大抵ボソボソで何を言っているかさっぱり分からないのですが、1時間20~30分ほど、怒りに任せて怒鳴っているのです。
翌日になるといろんなコメンテーターが出てきて、注射を打つジェスチャーをしておりました。注射を打っていたのだろうというわけです。私も最初からそう思いました。最初の5分で「あ、ヒロポンでも打っているのかしら」と思いました。長い間バイデンさんを知っていますから、「ああ、今日は特別にお注射を打ったな」とわかるのです。
そんな状態で選挙を戦おうとしているのがアメリカです。国内は今、ボロボロと言うより、一触即発。爆発しそうです。ひょっとしたら、第二次南北戦争になるのかと思うぐらいの雰囲気です。
日本のジャーナリズム
さて、カールソンによるインタビューを見ながら、私が率直に思ったこと。それは、日本にこんなことができるジャーナリストはいるのか、ということでした。もちろんいない。
そもそも、日本のテレビや新聞を見ますと、この二人の会談をめぐって大きな報道はなされませんでした。戦争中にインタビューが行われた意義も、理解していない。日本はそのレヴェルなのです。
皆さんは日本のニュースを「ニュース」と感じていると思いますが、あれはニュース番組と言えるものなのですか。俺たちはどうしたのですか。そんな幼稚な、頭の悪い国民なのですか。そうではありません。俺たち日本国民は世界でも優れた民族です。
ろくな議論もなく、戦争が勃発した途端にアメリカについた政権を真正面から批判したメディアはありましたか。これにより、日露関係という歴史的にも日本外交上も極めて重要な関係が崩壊しました。誰もバイデン政権を、そして岸田政権を批判できないのか。私たちはこの10年、20年でここまでアホになりました。
西鋭夫のフーヴァーレポート
プーチン・カールソン対談(2024年3月上旬号)-8
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

