最大の過ち

ユダヤ人たちが一番後悔しているのはナチスのホロコーストに対する抵抗です。抵抗しなかったわけではありませんが、それはごく少数でした。地下組織もありましたが、大規模な抵抗は行われておりません。殺されるのだったら、武器を持ってなぜ立ち上がらなかったのか。ユダヤ人たちは悔やんでも悔やみきれない気持ちでいるのではないかと思います。

彼らはただ殺されていきました。何をしたわけでもないのに、ユダヤ人というだけで殺されました。強制収容所では死ぬまで働かされました。働けないとわかったユダヤ人たちはすぐに処刑されました。

苦悩

ユダヤ人らは非常に頭が良い。しかし長い間、差別を受けてきたこともあり、先生にも、医者にもなれず、農地も持たせてもらえませんでした。残ったのは金の売り買い、すなわち「金貸し業」です。一番嫌われる職業でした。

シェイクスピアの『ベニスの商人』を皆さんご存知だと思います。あれは凄まじい反ユダヤ教の小説です。「ベニスの商人」、すなわちユダヤの商人は、人道意識もなく、人徳もない。金のためには平気で人を殺す。といった認識が一斉に広まりました。シェイクスピアの小説がヒットすればするほど、そうしたイメージがヨーロッパ全土に広がっていったのです。

ロスチャイルド家

そうはいっても、ユダヤ人らの生きる道は金貸し業だけでした。何百年もそれをやっていますから、経験も知恵も相当蓄積されてきたと言って良いでしょう。頭も非常に良い人たちです。そのノウハウをいかんなく発揮した天才商人たちが大勢生まれました。

ロスチャイルドもその一人です。もともとはドイツのフランクフルトにて、小さな金貸し業をやっていました。そこから才能を発揮して、今ではロスチャイルド家が地球全体を牛耳っているようなものです。

経済的に大きな力を持ったユダヤ人たちは、その舞台を今度は政治の世界へと移していきました。ヨーロッパではいわゆる「宮廷ユダヤ人」たちが登場しました。大英帝国を支えたのもユダヤ人たちです。

西鋭夫のフーヴァーレポート
2018年12月上旬号「反ユダヤ主義」-4