「グローバル化」への盲信

by 西 鋭夫 September 25th, 2023

大いなる幻想

私は「グローバル化」という言葉が嫌いです。そしてそんな現象があるのだったら大反対です。皆さん、グローバル化とは果たし何なのでしょう。「グローバル化」といえば全世界が平和になるのでしょうか。みんなが英語を話している、そのことがグローバル化なのですか。英語というのはどこかの国の国語に過ぎません。その言葉を日本でも、韓国でも中国でも、さらにはアフリカでも南アメリカでも話すことがグローバル化なのですか。

日本に押し寄せてきた「グローバル化」の波に対して、私たち日本人は反省を強いられているようにも見えます。日本人は「世界を知らない」「世界を見ていない」「英語教育では遅れている」と言われております。それゆえ「政治家の先生も、官僚の皆さんも、もっともっと世界を見なさい」と、叱られているのです。

何をいまさらという感じです。日本は絶えず世界を見てきましたよ。そしてあまりの変わりようにピリピリしているのですよ。にもかかわらず、世界の劣等生かのように「日本よ、改革せよ」「英語を話せ」と言われている。これはあまりにもおかしい。

 

英語熱

現在に起きていることと同じことが、明治維新の頃にありました。日本語は難しいから英語にしよう、漢字を使うことも止めて、アルファベットにしよう、と本気で考えていた時期もありました。しかし失敗しました。そんなことは出来ないのです。

150年経って、今まさに同じようなことが起きております。グローバル化というのは、誰かが笛を吹いて、煽動しているだけです。中心にいるのは誰ですか。アメリカです。その中でも一部の裕福層や大企業が牛耳っているのが現状です。グローバル化して一番得をするのは彼らです。私たちは英語を話せなければ「未開」だ言われながら、単に踊らされているのです。

 

国際連合

英語の世界だけではありません。私たちは、私たちが昔からずっと大切にしてきた価値観よりも、日本の外にあるものの方が大切だ、と教えられてきました。

今でも覚えています。それは私が中学校2年生の時でした。占領が終わり、日本が国際連合に加盟した瞬間、日本は超一流国になったかのように大喜びでした。民主主義もそうです。それだけで世界が平和になったように錯覚しておりました。戦前までの日本の全てを否定するかのような状況でした。

今でもそうでしょう。国連や民主主義と聞けば、なんでも許してしまうような風潮があります。ちなみに国連は今、世界を代表する国際機関のように振る舞っておりますが、あれはアメリカを中心とする戦勝国連合ですよ。加盟国の中にも明確な序列があるでしょう。五大国と対等に話ができる国はありません。全く民主的なシステムではありません。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
第三次世界大戦の予兆(2019年6月上旬号)-1


 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。