核密約

by 西 鋭夫 October 14th, 2019

アメリカ帝国軍隊

アメリカ人は「アメリカ帝国軍隊"American Imperial Army"」という言葉を聞くと同時に、知性を速やかに失い、目の色を変えて好戦的となる。


「アメリカ」と「帝国」という2つの単語を一緒に並べるのは、共産主義者の策略であると子供の頃から教育されているからだ。


日頃は温厚な紳士であるフーヴァーの学者たちが、「何を言うか。アメリカは経済的に非常に苦しいのに、多額の国費を戦費に回し、日本の防衛はもちろん、自由主義諸国のために必死になっているのに、大金持ちの日本はノホホンと楽しんでいる。日本は甘え切っている。日本は自分で自衛のことを考えることを全くせず、二言目には、われわれの軍事保障にただでドタッと寄りかかり、近隣の国(ロシア、中国、北朝鮮)が怖くなるとすぐに、"アメリカさん、どうしましょう"と泣きついてくる」といきまく。


彼らの「日本は甘え切っている」と言う憤懣やるかたなしの一言は、確かに国防問題に関し、日本の現状の的を射ていると思う。


核持込み疑惑

古い話になるが、その良い例が、昭和56(1981)年の5月中句に起こったアメリカ第7艦隊の核兵器の日本への持ち込み暴露事件である。


駐日大使を務め、当時ハーバード大学教授であったライシャワーが、「1960年、安保条約協定以後、米海軍は核兵器を日本政府と事前協議もなくたびたび持ち込んでいたし、今現在でも持ち込んでいるであろう」と発言したため、今まで全人類の永久平和と繁栄の白昼夢を見ていた日本国民は、度肝を抜かれた。


85f.pngエドウィン・O・ライシャワー


しかし、米国ではその記事は1、2度新聞に載っただけであり、それを読んでも,一般の米国民は一体全体なんでこれが新聞記事になるのであろうかと思うほどの無関心さである。


「米国の核戦略の圏内にあり、その強力な威嚇性に便乗している日本が、今ごろになって甘えた子供のように駄々をこねている」と思うのが、アメリカ国民の本音である。




西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−16



この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。