政権内のモグラ

by 西 鋭夫 June 11th, 2026

フリン問題の本質

フリン大統領補佐官の問題がありました。ロシア大使と連絡を取り合っていたということで辞任しましたが、私は問題の本質はそこではないと思っています。大統領の補佐官になる男が、ロシアの大使やプーチンの側近と話をして何が悪いのか。トランプが大統領になると決まっている中で、次の政権の人間が外交の話をする、これは普通のことです。

ですから問題はそこではありません。問題は、その電話会話が傍聴されていたことです。そしてそれがトップシークレットであるにもかかわらず、マスコミに流れたことです。トップシークレットに触れることのできる人間は限られています。オバマさんの側近で5人か6人、多くても10人。その中の誰かが情報を流した。

つまり、トランプ政権の中にモグラがいるわけです。オバマさんのスパイが残っている。これはサボタージュです。新幹線の線路に大きな石を置くようなものです。そのまま走れば大転覆する。その犠牲になったのがフリンさんです。

だからトランプさんとしては、この情報を誰が流したのかを突き止めなければならない。これは国家犯罪です。



見えない戦い

今、トランプさんがやっているのはモグラのあぶり出しです。政権移行の過程で、オバマ政権側の人間がまだ残っていた。その間に起きた事件です。だから大掃除が必要になる。1年ぐらいかかるかもしれないと言われています。

フリンさんはトランプ大統領の懐刀でした。長い間信頼していた人間です。その人物を失ったのは大きな痛手です。しかしトランプさんは顔には出さない。むしろ「誰がやったか」を必ず突き止める。そういう姿勢です。

一方でトランプさんはロシアと手を組もうとしている。中東問題を早く終わらせるためです。イランという共通の問題がある。ロシアもアメリカもそこは一致している。しかしその動きを止めようとする力が、アメリカの内部にある。マスコミもそうです。CNNなどは喜び勇んでトランプ政権を攻撃している。

つまり今起きているのは、単なる外交問題ではない。政権内部の戦い、情報戦、そして既存勢力との対立です。トランプさんは大統領になって一カ月です。その間にオバマさんが4年かけてやることをやっている。だから反発も大きい。

この内紛をどう乗り切るか。それがこれからのトランプ政権を左右することになります。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
安倍トランプ会談の真相(2017年2月下旬号)-8

 

 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。