黄金の60年代からベトナムへ

by 西 鋭夫 October 2nd, 2017

「丸暗記」教育の真髄


日本で生まれ、日本語で育ち、英語を話したいと望んでいる人は、くどいようだが英単語の数を増やし、各々の単語のアクセントを憶え、その後、英語圏に数ヵ月滞在するべきである。そうすれば必ず話せるようになる。

日本の学校教育は「丸暗記」ばかりと言われているが、これも「神話」の一つだ。本当に丸暗記をすれば、英語力はぐんと上がる。

アメリカの学校で「丸暗記」の多いことは日本の比ではない。大学1・2年生は、必死で単語と学術用語を丸暗記している。事実、学術専門用語のテストもある。

単語力はお金と同じで、全部使わないかもしれないが、沢山あった方がよい。


黄金の60年代


私が留学した1964年は「黄金の60年代」と呼ばれた良き時代で、街は美しく、ゴミもなく、落書きもなく、建物の白い壁は白かった。

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歩道にストリート・ピープル(浮浪者)が座り込んでいることもなかったし、人々の言葉遣いも丁寧であった。

しかし、裕福な社会の空気が急激に変わりだした。ベトナム戦争である。


ベトナム戦争へ


この戦争が人々の心を荒廃させてゆく。

ベトナム戦争は、アメリカの「膿」というより「鮮血」であった。

真っ赤な血が音をたてて流れ出し、焦れば焦るほど流血は止まらない。

社会が大混乱に陥り、世界最強の誇りと富の余裕を失ったアメリカは、大借金を抱えたまま、史上初の敗北の坩堝に堕ちてゆく。良き時代がガラガラと崩れていった。

盛者必衰の理である。


西鋭夫著『日米魂力戦』

第1章「遊学1964年」-19



この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。