マリファナ禁止令

by 西 鋭夫 September 18th, 2023

日本潰し

日本では「大麻取締法」があるため、医療目的であってもマリファナを使用することは禁止されております。医療マリファナ合法化の流れが、アメリカをはじめ世界各国で起きている中にあって、日本は未だにマリファナ鎖国のような状態です。

ではなぜ日本ではマリファナが認められていないのでしょうか。その起源はマッカーサーによる政策です。敗戦後にマッカーサーがやってきて、日本の宗教、すなわち神道と仏教を潰すために麻はダメだとしたのです。なぜマッカーサーは麻のことを知っていたのでしょう。お付きに日本研究者たちがゴロゴロおりましたので、彼らに聞いていたのでしょう。神道や仏教で麻を使うことのみならず、暮らしの隅々まで麻が使われていることを知っていました。

すなわち麻とは、当時の日本人の暮らしの根底にあるものだったからこそ、その使用をやめさせようとしたのです。その試みが1947年のマリファナ禁止令となり具体化します。

人体への影響や健康被害などについてはまともに検討されずに、日本文化を徹底的に潰すためにマリファナ禁止令を出したのです。日本政府と厚生省は、その片棒をホイホイとか担ぎ、占領が終わってもなおアメリカの思うままに動いてきました。そして今、ハッと目が覚めたのです。現実を見れば、アメリカでは幾つもの州がマリファナを合法化している一方で、日本では気が狂ったようにマリファナの取り締まりです。

 

日本はどう動くか

日本はどう動くか。ぐうたらしている時ではありません。大麻ビジネスや医療大麻の動きは必ず日本にやってきます。TPPがあるでしょう。大麻はそのうちアメリカからではなく、東南アジアから入ってきますよ。東南アジアでは群生している状況です。インドネシアではサラダ感覚で食べていると聞いたことがあります。

医療の世界でも待ち遠しいところではないでしょうか。一昨年ほど前に、歯医者さんが集まるある学会に呼ばれまして、マリファナとその歴史的経緯についての基調講演を行いましたところ、拍手喝采でした。私はもちろんマリファナ使用の経験はありませんから、アメリカの友人らのこと、アメリカ社会のことなどをお話ししました。マリファナが体の中に入っていくとどうなるのか、皆さん、知りたくてうずうずしているようでした。

製薬会社などは医療マリファナのことについて非常に大きな関心を持っていると思います。例えばうつ病の薬についてです。すでに研究開発の歴史と蓄積があります。しかし以前お話ししたように、マリファナがうつ病に効くことがわかれば、これまでのうつ病用の薬はどうなるのでしょう。

医療マリファナの合法化が遅れれば遅れるほど、日本の製薬会社はマリファナを使った薬の開発が出来ないわけです。そのため、他国のマリファナ薬に頼らざるを得ない状況になっていきます。それで本当に良いのでしょうか。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
大麻ビジネス(2019年5月下旬号)-7

 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。