なぜ英語が出来ないのか

by 西 鋭夫 December 29th, 2022

植民地

よくよく考えると西暦が使われてきた国というのは欧米キリスト教国の植民地、すなわちアジアとかアフリカに多いような気がします。そこでは現地の言葉は強制的に破棄され、スペイン語やポルトガル語、フランス語、英語が用いられるようになりました。

日本の場合はどうだったでしょう。日本は英語圏との戦争に負けましたので、やはり英語を習得しなければいけないということになりました。しかし、GHQは日本語を廃止すべく様々な手立てを講じるも、うまく行きませんでした。

日本が独立した後は日本全国で英語が必修となりました。それからすでに70年が経ちます。しかし私たちの英語力は全然伸びません。


理由

なぜでしょうか。その最大の理由は日本語が優れているからです。学校から一歩外へ出ると、豊かで美しい日本語に溢れております。

日本の英語教育が「英語」をなめている、というのもあるでしょう。日本語もすごいが、英語も素晴らしい文化を持っています。だからよほど必死になって没頭しなければ英語は習得できません。

私は殴られながら、蹴られながら、勉強しました。毎日1〜2時間とか勉強しただけでは習得はできません。ある程度の歳月をとって、厳しい環境に身を置いてみっちりと英語に向き合わなければ、英語は絶対に習得不可能です。

 

西式、英語教育

私は英語のクラスでは、常に竹刀を持って授業をしておりました。殴ることはしませんでしたが、とても厳しく指導しました。

二言目には「学生には優しくしましょう」「学生と先生はお友達」なんて言われることがありますが、私にとっては「ふざけるな」の世界です。教授と学生とはランク違いで友達になれるわけがないのです。

勉強は厳しいほど良い。西のクラスでは全員が必死になって英単語を覚えておりました。そして毎週のテストで高得点を挙げたものが名前を呼ばれると、大きな拍手が沸き起こりました。本物の教育には厳しさと感動があるのです。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
2019年1月上旬号「平成史と元号」-4

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。