日越同盟の可能性

by 西 鋭夫 July 21st, 2021

米国頼みでよいのか


中国は南シナ海に続き、尖閣諸島を含む東シナ海においても軍事的覇権を強めております。東シナ海で日本と中国が衝突することは避けなければいけない最悪のシナリオですが、そもそも日本には何が出来るのでしょうか。結局は米国頼みになってしまうのか。

敗戦後の日本は、1945年以来、アメリカに追随しています。アメリカもそれを当たり前だと思っている。戦後日本を育てたのは自分たちだと思っています。お金もあげたし、食べ物もあげたのだから、俺たちの茶坊主になって当たり前だ、と思っている。そのことに対して日本の政治家が反対しないで、そのまま70年が過ぎた。


アメリカがアジアから撤退しようとしている中、日本は丸裸で太平洋と日本海に投げ出されたようなものです。アメリカに泣きついても、オバマ政権は弱腰なので何も出来ない。このことを中国はよく知っている。


ベトナム


こうした中、日本が真に頼るべきはベトナムです。この国は特別です。まず、アメリカが戦って勝てなかった。アメリカは何十年も戦い惨敗しました。ベトナム人の多くにはいまだに反米意識が残っているくらいです。第一次ベトナム戦争ではフランスを相手に戦いましたが、ここでも負けませんでした。

アメリカやフランスだけでなく、中国もベトナムに勝てない。中国は太古の昔から、この国・地域を何度も手中に収めようとしてきましたが、ことごとく失敗しています。ベトナム戦争後も2、3度戦火を交えましたが、ベトナムは屈することがなかった。


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その一方で、ベトナムは日本に対して絶対的な信頼と安心、そして親しみを感じております。米国と同盟国にあった日本が、ベトナム戦争時には一度も戦争に協力しようとしなかったこと、ベトナム戦争後には難民を受け入れたこと、JICAによる細やかで素晴らしい援助を行ってきたことなど、ベトナム人は日本人が大好きです。


ロシア


中国とアメリカの間に立たされた日本ですが、自主路線を貫くことができるとすれば、もう一つのキー・プレイヤーはロシアです。日本はすなわち、米国との関係は続けながらも、ベトナムとロシアとの関係を深める。これが日本の生きる道ではないか。

幸いなことに、プーチン大統領と安倍総理は相思相愛です。プーチン大統領は日本好きで有名ですが、日本よりも、日本の柔道が好きなくらいです。ロシアと手を組むなら今がチャンスです。

しかし日本の外務省や永田町はアメリカになんて言われるか怖いから、ロシアには近づけないのでしょう。今度の大統領選でトランプさんが大統領になったら、彼はロシアとビジネスでお友達になるでしょう。そのときに、後からノコノコと入っていくのですか。自分で先手を打ちなさい。日本の未来がかかっているのですから。手土産は、日露共同でのシベリア開発でいかがでしょうか。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年6月下旬号「尖閣諸島の情勢」-8




この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。