国民の力

by 西 鋭夫 October 21st, 2024

自信をなくした人々

民主主義も不完全な政治形態ではないか。会員の方から素晴らしいご指摘を頂きました。そのとおりだと思います。関連づけて言いますと、この日本において、おそらく今後の20年から30年の間で一番大きな問題は、私たち国民の持つ力をどのように用いるのか、という点にあると思います。

そもそも私たちは、私たちに力が備わっているとも考えていないかもしれません。マスコミもそんなことを言わないでしょう。解説者の方々もたくさんいらっしゃいますが、私たちに向かって「皆さんの力は絶大ですよ。簡単に政権を変えられますよ」と言ったことがありますか。ほとんど聞いたことがありません。

私は日本に帰ったらいつもアメリカやイギリスのニュースを見るのをやめて、日本のニュースを見るようにしておりますが、1週間も見るとテレビを壊したくなります。何か解説しているようで、ほとんど何も言っていないと思うのです。

 

感動なき日本の政治

解説者が悪いというわけでもありません。それを真面目に受け止めている私たちの意識にも大きな問題があります。私たちの関心がなくなったら永田町はやりたい放題です。

例えば、今回菅さんが総理大臣になられましたが、これはどうやって決まったのでしょう。私は知りたいです。皆さん、日本のリーダーです。質が悪かったら終わりです。安倍総理は7年半やられて、日本の経済は良くなりましたか。日本の国民は感動したことがありますか。国のお仕事は、国民の命を守ることと財産を守ることです。しかし上がったのは消費税だけ、税金だけです。そんな無茶な話がありますか。

小学校の時から私たちは「清き一票」という選挙権の大切さを教えられてきましたが、あれは何だったのでしょう。私たちはなぜ今、選挙をしているのですか。私たちの自己認識をもっと大切にしなければいけません。皆さんの意見は非常に重要なのです。不思議に思ったり、納得できないことがあれば、口に出したりしてどんどんと言っていかなければなりません。

 

コロナ検査

このあいだ日本に帰ってきましたら、鼻の穴に何か竹の棒を突っ込まれて検査することになりました。家畜の検閲のようでした。そのあと2時間、パイプ椅子に座らされました。周りを見ると子どもは泣くし、おじいちゃんは横になっているし、一体私たちは何をやっているのかと、とても残念な気持ちになりました。

そこに400人ほどの方々おりましたが、マスクをしていなかったのは私だけです。持っていましたが、しませんでした。警察に「逮捕するぞ」と言われたらマスクをしますけれど、日本はそんなところまで来ているのですか。何かがおかしい状況です。

実際にマスクをしていないから感染するのか、マスクをしていなかったら感染するのか、これはどっちなのでしょう。風邪やインフルエンザなどは鼻からではなく、自分の手から感染するのです。それを誰も言わないのです。マスクをしたらあたかも世の中が平和に戻る、という感じです。

国民を規制することが政治ではありません。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
日米同盟の未来(2020年10月上旬号)- 1


 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。