対中抑止

by 西 鋭夫 July 14th, 2021

トランプ旋風


アメリカでは今、共和党の候補者ドナルド・トランプ氏が注目を集めております。彼は自分の政策を「アメリカ・ファースト」と表現しておりますが、これが非常に分かりやすい。アメリカを第一に考えて行動するということですが、この考え方に国民は熱狂しています。

全国各地で遊説するトランプ氏は、どの会場でも大人気です。どこへ行っても1万人、2万人規模の支持者に囲まれている。対するヒラリー氏の会場では1,000人から2,000人です。米国のほとんどのメディアも、日本のメディアも、この歴然とした差を全く報道しない。ヒラリー氏が話す時は、カメラを引いて群衆の様子を写しますが、トランプ氏の時は彼だけを写している。支持者が少ないように見せかけているわけです。

トランプ氏の支持者は血の気が荒く、会場ではいつも乱闘が起きると思われていますが、これも間違いです。妨害してくるのはほとんどの場合、ヒラリー支持者です。彼らがトランプ支持者にちょっかいを出して乱闘になることの方が圧倒的に多い。米国に住み、現場を見ているとそれが肌感覚でわかります。


抑止力


対中抑止という点では、ヒラリー氏とトランプ氏ではどちらに軍配が上がるのか。間違いなくトランプ氏です。彼は中国に対して敵対心をむき出しにしている。

トランプ氏が大統領になったら、中国の動きはピタっと止まるでしょう。完全に止まります。一般的な外交のセオリーでいけば、新たな政権が誕生した時、関係する国々はその政権が何にどのように反応するのかを試そうとします。ヒラリー氏が政権をとれば、中国は外交的にも、軍事的にも、どこまでが許されるか試そうとするでしょう。

しかし、対トランプとなれば、試そうともしないのではないか。さすがの中国も、トランプ率いる米国は怖いと思うのでしょう。


世界最強の潜水艦


アメリカが強い理由は陸軍や空軍だけでなく、その潜水艦部隊にもあります。アメリカの潜水艦についてはまともな情報がほとんど出ていないですが、まずその大きさを見ただけでおそらくびっくりすると思います。何百メートルの大きさです。1年間、潜ったままでの生活も可能です。人工的な太陽、つまりは原子力を使ったエネルギーがあり、いろいろなものがそこで育てられている。自給自足が成り立っているわけです。


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その潜水艦に原水爆が30発ぐらい積んであります。ですから中国が何かしてきたら、すぐに報復できる準備が整っているわけです。ステルス機能もついていますから、レーダーでの探知も難しい。中国は近年、潜水艦の開発に莫大なお金を注ぎ込んでいますが、米国の水準からは程遠い状態です。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年6月下旬号「尖閣諸島の情勢」-6




この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。