知らない単語に出会ったら...
日本国内でできることは、英単語を憶えさせること。「文脈から意味を取りましょう」と教える先生が大勢いるが、英文の本を読む時、知らない単語が出てきたら、それをとばしてはいけない。私の中・高・大学の先生も「文脈から」を連発していた。一行に知らない単語が一個ずつあったら、「文脈」も分からない。
知らない単語は例外なく大切な単語で、その単語が分からないため、全文が分からない。学校で英語を習った者は、この同じ体験をしている。今でも現在進行中である。
国語を学んでいる時、知らない漢字が出てきたら、先生が「とばして、文脈......」と言うのか。
日本人の英語力
日本人の英語力が年々低下していると言われている。事実である。若者たちは「英会話」が少しできたら、「英語ができる」と思い込んでいる。
大学でもオーラル・コミュニケーションとかプレゼンテーションという題目をつけ、英会話を20人ほどのクラスで教えている。
楽をして語学をモノにしようと思っているので、いつまでも刹那的な楽だけで、語学の真の楽しさも深さも恐ろしさも知らず、語学を学ぶのに最も大切な時期を無駄にしているのだ。
アメリカに留学しようとするとTOEFLというテストがある。日本人の得点が低いのはこの試験が難しいのではなく、単語を知らないため何を問われているのかも分からないからだ。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第1章「遊学1964年」-18
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。