DDTと新しい生活様式

by 岡﨑 匡史 October 1st, 2026



From: 岡﨑 匡史
研究室より

1945(昭和20)年8月15日(水曜日)、日本帝国は「ポツダム宣言」を受諾し終戦を迎える。

昭和天皇の「玉音放送」がラジオ放送で流れ、日本国民は敗戦を嘆き悲しむ。それから、わずか11日後の8月26日、アメリカ第三艦隊が神奈川の相模湾に姿を現した。

日本占領がはじまる。

米海軍部隊の伝達


2日後の8月28日、米海軍部隊は日本海軍に対して注意事項を伝えた。

「上陸に先立つ24時間のうちに、蚊やその他の害虫を撲滅する」
「作業に従う飛行機が白煙のようなものを吐いても市民は怖れるにおよばない」

「DDT」が日本で初めて使用される。

DDT

DDTとは、シラミや害虫を駆除する有機塩素系の殺虫剤「Dichloro-diphenyl-trichloroethane」(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の略称。

現在、DDTは使用が禁止され、身体に有害な影響を引き起こす「内分泌攪乱物質」とされている。

日本国民を戦慄させた「原子爆弾」や「焼夷弾」に代わって、今度は飛行機からDDTが撒布された。見えない敵ウィルスからアメリカ兵を守るためだ。

米国では1920年代に撲滅していた天然痘をはじめ、ジフテリアやチフスなどが敗戦直後の日本で蔓延していた。


ー岡﨑 匡史

P.S. 以下の文献を参考にしました。
・クロフォード・F・サムス『GHQサムス准将の改革』(桐書房、2007年)
・ダグラス・マッカーサー『マッカーサー回想記 下巻』(朝日新聞社、1964年)

この記事の著者

岡﨑 匡史

岡﨑 匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。

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