2016年9月の大失態

by 西 鋭夫 November 4th, 2020

安倍・ヒラリー会談


涙が出るほど恐ろしい話です。CNNなどによる「トランプ叩き報道」をコピペして、その内容を丸呑みしていた安倍政権は大失態を犯しました。

2016年9月のことです。総理が訪米し、ニューヨークの国連本部に行かれたときのことです。このとき総理はヒラリー候補に会いました。2人で握手して、座って仲良くお話している映像が、アメリカのマスコミにワッと流れました。私はそのニュース見て、「安倍総理、こっちに来ておられたのか?なぜヒラリーさんと会っているのだろう?」と不思議に思いました。ヒラリー候補の次は、トランプ候補に会うのかと思いましたが、総理はそのまま帰国しました。

これは外交上の大失態です。完全にヒラリー陣営が勝つと思っていたのでしょう。


二股外交


総理は、トランプ候補とは会いませんでした。トランプ陣営から見たら「バカにしているな」の世界です。ヒラリー候補とはコネを確認する必要があったけれども、「トランプ候補はどうせ大統領にならないのだから、会う必要がない」と、総理やその取り巻きが判断したのでしょう。

トランプ氏が次期大統領に決まったとき、首相官邸は冷や汗を流したのではないか。報道によると、11月中にすぐにトランプ氏との会談をセットアップしたようです。

外交は二股をかけないといけない。これは倫理や武士道の話ではありません。政治・外交戦略の話です。お金を出すときも、敵と味方の双方に出さないといけない。どちらかが勝つのですから。

トランプ氏は超がつくほどの玄人ビジネスマンで、交渉の名人です。安倍総理と会うとき、トランプ氏は大きな笑顔で迎えるでしょうが、9月のことはいつまでも忘れないでしょう。


手土産の中身とは


安倍総理としては非常にバツが悪い状況でトランプ陣営と交渉せざるを得なくなったわけです。その様子はいわば、関ヶ原の合戦中に豊臣だけを応援したような形です。これから徳川側に行き、ご挨拶しなければならない。

手土産は高級ゴルフセットでしょうか。しかし、全く足りないでしょう。両手では足りないほど、お付きを5、6人従えてダンプカーに乗せて行く方がよろしい。

トランプ氏からはまたいろいろなことを要求されるでしょう。総理はすべて「分かりました」と答えないといけない。今後、トランプ政権下における日米関係にて様々なことが起こるでしょう。それは交渉や議論の結果などではなく、このときの「お詫び」の品々と考えた方が良いかもしれない。


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2016年9月の安倍・ヒラリー会談は、そのくらいの大失態でした。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年11月上旬号「大統領選挙速報」− 5




この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。