日本の魂
憲法は、国の「魂」。憲法を書くことは、国という肉体に魂を入れること。
憲法は、国の「人格」「品性」を表わす。
憲法は、国民の伝統と夢、道徳と知恵。
憲法は、我々が文化の高揚を求め、国の繁栄と安全の理想郷へ向け、歩む時の道しるべである。
マッカーサーは厚木上陸直後、「日本の魂」「憲法」に、手をつけた。
日本人には任せられない
日本国憲法は日本国民が書くべきだと認識していたマッカーサーは、民主主義が日本で自然に湧き起こってくる可能性はない、と都合よく情勢判断をし、「民主主義が育つのを手助けするだけではだめだ。確実に成長するのを見極めねばならない」と言った。
GHQ民政局によれば、
「(憲法改革の)問題は地方自治をゆるやかに育み、政治的成熟を待ち、その後、我々の助言によって憲法を作り、新しい社会を築くか、さもなくば、速やかに現存の(明治)憲法を解体し、その跡に新憲法を作るか、である」。
マッカーサー元帥は「速やかに憲法改正すべし、と最も賢明な道」をとられた、と民政局は自画自賛している。なぜ「速やか」が最も賢明なのか。
「ゆるやかな自然な民主主義の成長」では時間がかかりすぎるし、「反動内閣、枢密院、天皇たちが一夜にしてその成果を潰してしまうかもしれない」という懸念からだ。
すなわち、「日本民主主義のゆるやかな自然成長」は占領開始後、数週間の時間しか与えられなかった。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。