アメリカンドリーム
アメリカで頑張ると、お金持ちになったり、高いランクに入ったりすることが出来ます。スポーツの世界もそうです。イチローさんもオリックスからアメリカに行き、そこで大活躍されました。アメリカ人も羨むほどの活躍です。給料の額がそれを証明しています。アメリカではお金の額が評価の高低を表すのです。
頑張った分だけ報われる。そしてそこには何の制限もない。すなわち米国にはアメリカンドリームがあるのです。そんな国を守りたい、と考える人たちもたくさんいらっしゃいます。アメリカンドリームを実現した人は、「俺をこんなにしてくれた国を守ろう」と、そんな意気込みになるのだと思います。
守ることとは
守ることとは、愛することです。家族を守ることは家族愛です。国を守ることは国を愛することと同じです。アメリカでは、これが当たり前のように成立します。多くのアメリカ人がアメリカを守りたいと自然に思い、それを実践しようとするのです。
日本の場合は、まずは政治家に「誇り」がない。彼ら自身がどれだけ日本を愛しているのか、すなわち日本を守ろうとしているのか、それさえも疑わしい状況です。先生方は国民が望むこともやらない。国民の話を聞いていないので、人々が今何を欲しているのかも分からないのかもしれません。
そんな中で彼らは私たちに対し、「愛国心が足りない」などと言うわけです。そんなのは逆効果でしょう。永田町や文科省がいくら「愛国心を持て」と言っても、誰も従わない。反感だけが残るのではないでしょうか。愛国心とは、誰かに教えられて身に付くものではありません。それは経験から学びとるものです。私たちが日々の生活の中で家族を慈しみ、感謝するようになっていくように、日本に生まれて良かったなと思えるような国にしていくことが、まずもって必要なのです。
軟弱な世代
アメリカに大きな変化が訪れようとしております。現代の子どもたちがアメリカ史上「最も軟弱な世代」だと言われているのです。彼らは2000年代以降に成人や社会人となっていく世代で、ミレニアル世代などとも呼ばれております。
豊かな時代に生まれた子どもたちが自立するためには何が必要なのか。フーヴァーダイジェストには「永遠の思春期から抜け出す」という記事が掲載されております。ピーター・ロビンソン教授による、ベン・サス上院議員へのインタビュー記事です。次のようなことが書いてあります。
人類の歴史の中で最も豊かな時代に、最も豊かな国で生きる子どもたちについて深く考えなければならない。とりわけ、そうした子どもたちに対し、いかに「苦労」を教えるか。これが極めて重要だ。
全くその通りでしょう。今のアメリカの豊かさを当たり前に享受している、温室育ちのお坊ちゃん、お姉ちゃんたちにとって、アメリカンドリームは当たり前のことと思われているのかもしれません。しかし、それは歴史的に培われてきたものであり、また多くの血を流して手に入れたものなのです。それを知らない子どもたちが増えてきているのだと、ロビンソン教授とサス上院議員は警句を発しているのです。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2019年4月上旬号「愛国心と教育」-3
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。