独立を脅かすもの
この数年間、日本の独立を脅かすような様々な取り決めが成立しております。TPPからはじまり、種子法廃止、水道民営化などです。日米地位協定はもってのほかですが、私が今一番注目しているのが日本の水に関するものです。
水道事業が民営化されるとのこと、これは本当に大丈夫でしょうか。恐ろしい未来が予想されます。日本に豊富に、そして溢れるように存在する水を、なぜ民営化する必要があるのでしょうか。民営化したら何か良いことがあるのでしょうか。
水道民営化とは、民間企業が自治体の水にかかわる「権利」を独占するわけですよ。例えばですが、外から突然、西がやってきて、その県の、あるいはその町の水をお金を払って買うわけです。2、3年は安くておいしい水を提供するかもしれませんが、会社が傾きそうになったら「新しい機械を買いました」「新しい設備を整えました」などといって、水の価格をどんどんと引き上げますよ。
海外では後悔の方が大きい
水道の民営化は愚策です。日本以外の事情をお話ししますが、このことを認めた地域では今、大騒動になっております。すなわち「知事、なぜあなたはそれをやったのか」「町長、何であんたはそれをやったのか」と問いただされております。 しまいには「賄賂をもらったのだろう」という話になっています。賄賂など本当か、と考えてしまいますが、他国では日常茶飯事なのです。逆に言えば、賄賂を貰わずして、こんな馬鹿げた取引など行わない、のが普通なのです。
以前もお話ししましたが、日本の山や森は今、外国資本にどんどんと買収されております。その狙いは水です。日本の美味しい水が外国資本のものになっていくのです。日本人は水に不自由したことがありません。そのため、なかなか気づき難いのでしょうが、世界中の巨大資本が日本の水を狙っているのです。海外では水をめぐる争奪戦が激化しております。そんな中での水道民営化は、自らの命を外部へと投げ出すようなものなのです。
塩素漬け
ところで、何も対策がなされていない水道水を一生飲んでいると寿命を縮めます。最大の原因は塩素です。日本の水道水には塩素がたっぷり入っております。
なぜこんなことになったのか。話は約100年前の日露戦争の時に遡ります。帝国日本は塩素ガスでロシア兵をやっつけようと思ったのです。それで大量に塩素を作りました。しかし戦争がすぐに終わってしまったので、塩素が余ってしまったのです。そこで、水の消毒にと塩素が使われるようになりました。
これが今もなおずっと続いているのです。皆さんが自然豊かな地域に住んでいるのなら、水道水ではなく、またペットボトルでもなく、自然の川や清水から水を飲んで下さい。その方が安全です。最初は体がびっくりしてお腹を壊すかもしれませんが、長い目で見れば、体の免疫にとっても良いはずです。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2019年3月下旬号「揺らぐ日本の人材育成」-10
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。