遺伝子組み換え食品
地球の人口は70億人を突破しております。人口爆発に伴う食糧問題を技術は解決できるのでしょうか。綺麗な水をどう維持していくか。食肉、農作物をどう確保していくか。喫緊の課題です。今でさえ足りない状況が続いているのですから、人口が増え続けるとどうなるのか、普通にやっていては時間が足りない。
そんな中、世界が注目しているのが遺伝子組み換え食品です。もうこれしか残っていないかもしれません。不安に思う人もいるでしょうが、これを食べると30年後に癌になるぞ、と言われたって、30年後のことを考える人はなかなかいない。あと10年もすれば癌に対する遺伝子製薬も誕生しているでしょう。
しかしながら、食糧が増えればそれで解決かというとそうでもない。私たちには水も、土地も必要です。干ばつや噴火などの自然災害が起こったり、疫病が世界的に流行ったりする可能性があります。
土地を巡る戦い
自分たちの命が脅かされるとき、人間は戦ってきました。第二次世界大戦を見ても、日本が満州に行ったのは土地を求めてのことです。人口では人が増えすぎて、食べ物がないので満州に行った。そこで満州は「日本の命綱」と言われた。
ヒトラーも同じです。ヒトラーはロシアと、ロシアの周りの国々に攻め入るわけですが、ドイツは当時のロシアの南側の土地をドイツのための「生存空間」などと言っていました。それで戦争をした。
イデオロギーの違いで戦争が起こるのではなく、食べ物だったり、そこでできる鉄とか石油だったり、さらには住む場所を求めて、人々は戦争をするのです。自分の所に水がなかったら、他の所の水を取りに行かないといけない。向こうが抵抗すれば、戦うしかない。これが世界の現実です。
環境問題
食糧や人口問題と同じくらい重要なのか環境問題です。温暖化などと大真面目に言っても、昔は笑われましたが、今は大問題になっています。温暖化対策で一生懸命になっているのはオバマさんと日本ぐらいではないでしょうか。
アメリカの一般人も温暖化は問題だと言いますけれど、何か具体的に行動しているわけではありません。内心は「大きい車が欲しい」と思っているはず。二酸化炭素をバンバン出す大きな車です。
温暖化によって海面が上昇すると住むことのできない土地が出てきます。既に水没の危機に瀕している都市、国もたくさんあります。そこではまた新たな土地問題が起きています。温暖化によって、昔からずっと受け継がれてきた土地を手放さなければならなくなった人々も大勢いらっしゃいます。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2016年9月下旬号「アメリカの食文化支配」-7
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。