米独関係の行方

by 西 鋭夫 September 2nd, 2020

訴訟地獄


フォルクスワーゲンの復活を信じる人はいると思いますが、今回は戦争ではありません。同社は、金のためだけにやった。とても見苦しい。フォルクスワーゲンの後ろには、ドイツのハイテク技術と
物づくりにかける情熱、魂があります。だから、この不正事件で同社が完全に消えて無くなることはないでしょう。しかし、非常に長いあいだ窮地に立たされます。

大問題の一つは訴訟です。まずは個人から訴えられ、次には会社から訴えられ、さらには国からも訴えられるでしょう。フォルクスワーゲンのニュースは、メディアからは消えていくでしょう。しかし、訴訟としてはおそらくこれからが本番です。

便乗訴訟もあります。特に体の病気を訴えられたら、今度はフォルクスワーゲンがそれを否定しなければならない。これは因果関係の証明が大変。検証には時間とコストがかかります。


暗雲


視点をより広げて捉えてみると、フォルクスワーゲン社の問題には別な側面があることに気づきます。それは米独関係です。

ドイツはギリシャの財政危機や難民問題をはじめとして、ヨーロッパの中心国としてのリーダーシップを発揮してきました。そんな折、アメリカの環境保護局から不正を指摘されたわけです。これは、ドイツ国内の景気を左右しかねません。盗聴問題に端を発する米独関係の冷え込みが、この背景にあるとみて良い

オバマ前大統領は、安倍首相の携帯はもとより、ドイツのメルケル首相の携帯さえも盗聴していたわけです。その他、フランスやイギリスの大物政治家たちの携帯も聞いていました。ドイツ国民は激怒です。オバマ氏はバツが悪かった。スノーデンによってばらされたとはいえ、現行犯で逮捕されてしまったような形です。そんな米国からの反撃が始まった