TOEFL
今、日本人がアメリカの大学に入学しようとすると、「TOEFL」という英語能力テストがある。
満点は677点で、通常の大学院では550点以上が最低必要得点である。有名校ともなれば600点ないと自動的に不合格だ。また、留学を希望する日本人学生が多くなったので、大使館や領事館で個人インタビューはない(注.最近コンピューターによる試験になり、点数の付け方も変わり、300点が最高点)。
TOEFLで日本人学生(大学と高校)の平均点は480点前後。社会人と学生の平均点を出すと505点。アジア圏23カ国中、日本は22位だ。中国や韓国は遥かに上位である。
日本の英語教育
戦後60年間も学校教育で英語を必須にし、全国津々浦々にまで英語塾が設けられ、国を挙げて英語教育に熱を上げているのに、日本人の英語力は上がらない。
日本人の頭が悪いからではない。努力しないからではない。我々の文化の中に「外国語は苦手・英語に弱い」の遺伝子を宿命として持っているからでもない。中国から渡ってきた複雑な「漢字」を巧みに取り入れたではないか。
日本で「英語はコミュニケーションの手段」と含蓄のないセリフを吐いている教師(大学教授)が多いので、学生たちは語学・英語の持つ深さや恐ろしさを過小評価し、語学習得の厳しさについてゆけないのだ。
楽をして英語の達人になりたいと思っている人が多すぎる。
西鋭夫著『日米魂力戦』
第1章「遊学1964年」-6
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。