戦後日本の転換点

by 西 鋭夫 June 1st, 2017

朝鮮戦争勃発


6月20日、ジョン・フォスター・ダレス(アチソン国務長官特別顧問)が韓国訪問から東京へ戻り、対日平和条約につき、三人の軍人たちと話し合った。

ジョンソン国務長官とブラッドレー大将が離日したのが6月23日。

ジョンソンは離陸する前に、「私は極東の情勢について楽観している」と記者たちに言った。

二日後、朝鮮戦争が勃発した。

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「全面講和」論の沈黙


共産国北朝鮮が仕掛けた戦争は、全ての理想論議を終わらせた。共産国のソ連や中国と手を結び「全面講和」を推し進めていた日本人たちは、沈黙せざるを得なかった。

日本の平和条約は、今や時期が早いどころか、手遅れであった。

米軍基地は、一夜にして、日本の国家安全のため必要不可欠となった。

日本国民は、米軍基地が日本自身の再武装にとって代わるものではないかと考え始め、アメリカは日本を完全に再軍備するつもりは毛頭なかったので、日本での米軍基地は両国を満足させた。

独立すれば、日本も国連軍に積極的に協力できるのではないか。



再軍備への道


1950年7月8日、マッカーサーは「日本の政府が7万5000人の国家警察予備隊を設立するために必要な手段をとることを認可する」と吉田首相に命令した。

海上保安庁を8000人増員させて強化するよう命じた。

「国内の安全と秩序の維持、それに密入国者と密輸に対し、日本の海岸線を守るためである」。「密入国者」とは、朝鮮半島から密入国していた共産主義者のスパイのこと。


この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。