バブルの宴
激変の「昭和」が終わりに近づいた時、最後の炎が瞬時、煌々と燃え上がるかのように、日本は「バブル経済」と言われた空前の紙幣の宴に日夜酔う。
「アメリカの終焉」「21世紀は日本の世紀」という台詞まで登場し、敗戦国日本はやっと敵軍占領の屈辱の枷からも解き放たれたと見えた。
だが、あの驕りにも似た宴の騒ぎは、一夜にして止み、平成日本は不気味なほどの静寂に覆われている。
日本国民は、快楽の後の虚脱感に襲われたかのように、茫然とし、かつての強敵アメリカ軍に国土の防衛まで委ねたまま、歴史の大河に翻弄され、為す術もなく流されてゆく。
日本国民は、自信喪失に陥った。
再燃・英語万歳教育
またもや、日本語が問題になった。1997(平成9)年日本の文化を司る文部省が、小学校1年生から、ローマ字でなく、英語を教えると決めた。
経済界の重鎮たちも「日本人は英語が話せなければダメだ」と言う。
明治維新の夜明けに同じような発想をした日本の初代文部大臣の森有礼も赤面しながら苦笑していることであろう。
日本の香港化
英語を学んで、日本語を英語化(カタカナ化)して、我々日本人の自信が、誇りが戻るのか。
英語化は、日本国崩壊への深い落とし穴だ。
現在進行中の日本語の英語化は、アメリカ文化の侵略を、微笑みを浮かべ双手を上げ歓迎する打ち拉がれた植民地の住人のすることだ。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。