無条件降伏

by 西 鋭夫 November 27th, 2025

戦争犯罪

GHQはまた日本人に対し罪の意識を植えつけました。同時にそれはアメリカの戦争犯罪を軽減する目的もありました。悪いことはすべて日本の責任とされたのです。放っておいてくれりゃ、私たちはもっと早く回復したのでしょうけど、敗戦のために悪人扱いされ、手錠をかけられた状態でした。

ご存知ない人が多いと思いますけど、当時の日本は鎖国のような状態です。日本の船であってもGHQの許可がないと入出港が出来ませんでした。外へ出てマグロを捕りたいなど冗談じゃありません。日本の周りから外へ出られない、近海でしか魚をとることは許されませんでした。

肉体的にも、精神的にもコントロールされていたのが占領です。無条件降伏です。何を言われても、その通りにします、というやつです。

 

現代日本の言論空間

この一〇年ほどの間に、 あれは無条件降伏ではなかった。あれは軍隊が降伏したのだ」とわけがわからない議論をしている人がいました。資料を読んで言っているのですか。アメリカがそんなこと思っているのですか。返答さえしたくありません。勝てば官軍、負ければ賊軍。賊軍がすべて責任を負うという世界です。

七十年が過ぎて、その箍 (たが)が外れたのでしょうか、アメリカに反抗すれば何か平和になるんじゃねぇかと、自分たちのランクも上がるんじゃないかという錯覚があるように思います。冗談じゃありません。もう完全に極左の方によっております。そういうイデオロギ
ー的な記事が日本には多すぎです。フェイクニュースの世界にお入り遊ばしているわけです。

もっと日本としての主張があるのではないですか。あの憲法を 平和憲法」と呼ぶ世界で、誰もその真実をチェックしない。ひどい話です。

規制から印象操作へ

現在の日本のメディアも、国民も、その目は本質から大きく外れております。この間、テレビを見ていたら安倍さんが何か叩かれておりました。どこかの学校を安倍総理ご夫妻が応援した、口利いた、利かなかった、と言う話です。これで国会でのすべての審議が止まってしまいました。

正気か」と思いました。政治家が地元に口利くのは当たり前で、まして総理大臣になると世界中から口利いて欲しいという世界です。アメリカなぞめちゃめちゃ口が利いている国ですから、口利くのは当たり前。口利きが通っても、国家が潰れるわけじゃありません。

日本は今、こんな口利きレベルの話で動いているのです。まともな議論も憲法に関わる議論もできません。しようと思ったら、どうしようもない話題で足をすくわれる。情けない話ですが、他国から見ればこれは喜劇です。トランプさん、プーチンさん、中国の習さんは大笑いしているところでしょう。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
GHQ の洗脳政策(2017 年 12 月下旬号)-4

 

 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。