GHQ の狙い
GHQ には二つの狙いがありました。一つは、日本が再び世界の平和と安全の脅威にならないようにすること。二つ目は、日本が平和的で責任ある政府を樹立し、他国の権利を尊重し、国際連合憲章の理想と原則に示してある目的を支持することです。
では、GHQはいかにして日本を洗脳し、これらの目的を達成しようとしたのか。まずは、日本の古いものをほとんど全て廃止しました。明治憲法を廃止、教育勅語を廃止、教科書廃止、とにかく古いものは全て消していく感じです。
そして新しいものを作った。
平和憲法
憲法がその代表的な例です。皆さんが平和憲法と呼ぶあの憲法はマッカーサー元帥が書かれまして、その筆頭子分のホイットニーが吉田茂をぶん殴って作ったものです。 「この憲法を国会通さないんだったら、天皇に何が起こっても知らねぇぞ」とやった。吉田は苦しかったんでしょうけど、背に腹は代えられないということで、それを受け入れました。
その憲法を 「平和憲法」と言って、もう七十何年経ちました。アメリカが日本に持ち込んだソフトパワーで一番強烈なのは憲法です。私たちは子どもの頃は、もちろん憲法なんか分かりません。ただ「この九条で平和になる」と教えられました。
ところでGHQの草案を見ていくと、今、我々が読んでいる憲法九条は第八条であったことがわかります。だから、皆さん、現物を見て下さいね。それをせずに憲法論議をやっていますけど、資料を持っている私たちから見れば「おい、お前、それは空論だろう。それはここに書いてあるじゃねぇか。吉田茂がこう言ったじゃねぇか」という世界になっていきます。
言語政策
言葉の洗脳も完了しております。例えば、あちこちの大学で最近、授業と言うよりも先生の話を聞いていますと、英語がいっぱい入ってくることが気になっています。英語の単語がたくさん出てくるのです。
皆さんもフーヴァーレポートでお分かりと思いますが、私が話すとき、ほとんど英語の単語が入りません。必要なとき以外、絶対に使いません。ところが、英単語を会話の中に入れると、自分が賢いんじゃねぇのか、教育を受けているんじゃねぇのかと錯覚してしまう。これも洗脳の結果ですよ。日本語という素晴らしい言語がある、言霊がある中で、なぜ小さい時から英語が必修なのでしょうか。
戦争というものは、軍事だけの戦いではなく、情報戦や心理戦もあります。アメリカはプロパガンダや情報操作を活用して、日本をコントロールしてきました。アメリカが巧みだったのは、俗に言うソフトパワーというやつです。気づかれずに人々の潜在意識に働きかけたわけです。私の知る幼稚園では ディズニー体操」までやっているのですよ。そんなものがあるのか、とやめるよう言ったら、園長先生に叱られました。アメリカは猛烈な宣伝、プロパガンダで攻めてくる。本当にお上手です。
西鋭夫のフーヴァーレポート
GHQ の洗脳政策(2017 年 12 月下旬号)-2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

