外圧
賞味期限という言葉を使いましたが、日本人は自分でその時期を見極めることができないでおります。そんな時に「外圧」が大きな力になります。日本は外からの圧力がないと自らの決断を下すことができない。だから日本人は外圧が大好きです。大好きどころか、明治維新も外圧でしょう。外圧を受けて国を作り変えてきた。
現在は、北朝鮮がミサイルを立て続けに発射しております。北朝鮮の情勢が不安になればなるほど、日本国民の間に防衛に対する不安が高まります。危険にさらされないと人は目を覚まさないものです。これをうまく使っているのがトランプさんです。トランプさんと金正恩さんが威嚇しあっていますけど、その間に挟まれている日本は何の発言権もないわけです。皆さん、笑うほど、もう、めちゃめちゃな話です。おい、挟まれているのは俺たちだろう。しかし何も言えない。
国防の重要性
北朝鮮が打ちまくっている間に、日本はテロ対策とか、集団的自衛権とか、また最近では共謀罪に関する取り決めがなされています。しかし論点がどこかずれているように思います。
敵は誰なのかと、総理ははっきり言え。北朝鮮か、中国か、韓国か、プーチンさんですかと。これを誰も言わない。敵の存在を明確にせずに、「用意」ばかりしている。それも軍事的な用意ではなくて、法的な準備です。しかもその法律は日本国民を縛りつけるものです。このやり方は私が研究した戦前の日本の姿と同じです。
うちの親父もこれにひっかかっておりました。結局、何もやってない。ものを言っただけで、具体的な準備を何もしていない。

国を守る意識
逆説的ですが、その救いは北朝鮮が何かを打ち、日本が激怒することです。本当の意味での危機感が芽生え、自分たちの国を自分たちで守るという意識になっていく。それが国防軍の創設につながるのだと思います。
そのときには日本で武器をつくる、日本でミサイルをつくる、日本で原水爆を作る。そういった世界になっていくかもしれません。日本人はこういう話、大嫌いです。それはわかっています。しかし嫌いであっても議論しないといけない。
私がブツブツ文句言うのは、「安倍総理、そんな小さな法律ばかり作っておりますが、我々は一発撃ち込まれたら終わりじゃないですか」ということです。一発撃たれたら、テロ対策も、共謀罪も、集団的自衛権も、何の意味もなくなります。新しい憲法をしっかり作り、自分で国を守ることのできる日本を作らないといけないのだと思います。
西鋭夫のフーヴァーレポート
憲法改正(2017年5月下旬号)-2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

