スパイ疑惑
中国を専門に研究している先生方も戦々恐々としております。ハリウッドが多額のチャイナ・マネーを受け取っていたように、中国から寄付を受けてきた研究者たちもたくさんいらっしゃいます。当人たちからすれば純粋な研究のためだと言えるのでしょうが、はたから見れば中国寄りの研究者だと言われてもしょうがないでしょう。
中国に対して断固とした姿勢で臨むトランプさんは「大統領令」にまで署名し、中国べったりの研究者たちをアメリカに入国させないようにしました。そこまでやるのです。これは今、アメリカで大問題になっております。
理工学系の先生方もこの大統領令にびくびくしている状況だと思います。皆さん、アメリカの有名校であるハーバードやスタンフォード、それからプリンストン、イェール、コロンビアなどで非常に優れた理工学系の教授たちの中には10年、20年、30年と秘密裏に中国に情報を渡してきた先生方もいらっしゃるわけです。そうすると月給が500万円ほどもらえて、生活費も1,000万円もらえます。
FBI
大学教授の稼ぎはアメリカですとハーバードやスタンフォードはかなり高いですが、その3倍以上は中国からもらっていると思います。しかも申告しないわけです。そういう先生方が、現在約100名ほど捕まっております。
動いているのはFBIです。捕まった先生の名前はウワーッとメディアに出ていますよ。この人たちはもう二度と大学に戻れないと思います。なぜなら「国賊」としての烙印を押されてしまったからです。
黙ったままで、よくそんな莫大なお金をもらってきたなと思います。毎年、月500万円もらえて、さらにハーバードやスタンフォードの高い給料が入るわけです。アメリカの国民は怒り狂うでしょう。しかし一番、怒っているのはトランプさんです。「なぜアメリカで開発した貴重な技術を、アメリカの国民が中国に渡しているのだ」ということです。
中国はどちらを向いているのか
バイデンさんにはそんなこと出来ないでしょう。現職のトランプ大統領は、中国と徹底的に戦う姿勢を見せておりますが、民主党政権は中国との決定的な対立は避けようとします。
中国からすると難しいでしょうね。トランプにつくべきなのか、バイデンにつくべきなのか。習近平さんにとってはバイデンさんを勝たせるとアメリカ国民は「バイデン、おまえ習近平の操り人形か」となります。そうなると、中国はむしろ大損する可能性があります。
しかしトランプ氏が勝った場合、中国はさらに厳しい状況が続くでしょう。ちなみに、この二人はおそらくリーダーとしては性格が似ていて、2人とも親分気質なのです。政治外交は強いやつが決めるわけです。その意味を二人とも理解しております。大統領選がどうなるか注目していきたいと思います。
西鋭夫のフーヴァーレポート
ハリウッドとプロパガンダ(2020年7月上旬号)- 4
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。