属国日本
敗戦から70年以上が経っていますが、日本はいまだに米国の属国です。「極東の砦」というと聞こえは良いですが、その実態はいわばアメリカ軍の先鋒、足軽部隊でしょう。日本はアメリカの言うことをずっと聞いております。聞く以外、他の選択肢はないのです。このような構造はいつまで続くのでしょう。そこから脱する術はないのでしょうか。
簡単ではありませんし、おそらく現時点で「これだ」と言える方策はありません。そもそも我々の生活自体が実はドル漬け状態です。以前、米国債の話をしましたが、石油やガソリンもドルに紐づいております。中東の原油の価格はドルです。
「ドルではなく、ユーロとか、別なお金を使いましょう」と言ったのが、イラクのフセインとリビアのカダフィーでした。二人とも殺されましたね。日本の首相がそんなことを口に出したら危ない。
元凶
日本は戦後70年以上、米国に追随しております。総理大臣もビジネスも全て追随しております。お金をもうけさせてもらい、いろんなものをもらいました。
アメリカ追随の元凶は、皆さんが大好きなあの平和憲法、すなわち昭和憲法です。私たちは占領が終わった時にそれを変えればよかったものを、変えずにそのまま使ってしまったのです。その結果、これまでずっと浸透してきまして、いわゆる「弱い国民」のまま現在まで来てしまいました。私たちは、自分の国や自分の家族を敵から守ることを忘れてしまった国民となりました。「守ろう」とすると、「そんなことはしてはいけない」と諭される人間に育ってしまいました。
そんな日本人たちをコントロールするのは楽でしょう。従順でよく働いて、文句など絶対に言わない。
憲法全体を書き換える
私は今から5年でも10年でもかけて、マッカーサーによって書かれた憲法を、日本人の手でしっかりと書き直す必要があると思います。
安倍総理は「九条を改正する」と言いますが、九条だけではなく、憲法全部を「新しい憲法を日本が作りましょう、皆さん、それぞれの案を出してください」と言うべきではないでしょうか。そうすると、日本の賢い坊ちゃんやお姉ちゃんたちはウォーっと声を上げながら、何百本と憲法草案が出てきますよ。
改正など、小手先のものはダメです。意味がありません。新しい憲法を日本人が書く。今年がそうした愛國元年になることを願っています。戦後も終わりです。惨めで、残酷な戦争も歴史の一頁になりました。新しい日本へ、明治や大正や昭和よりも、はるかに強い日本のために、新しい憲法を、国民の皆さまで草案いたしましょう。安倍総理にそう仰って頂きたい。それだけで歴史に残る総理大臣となるでしょう。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2019年1月下旬号「日本独立への道」-7
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。