From:岡崎 匡史
研究室より
トランプと金正恩。
この二人の対決は、どのような命運をたどるのでしょうか?
トランプ大統領は、北朝鮮に対して軍事攻撃も視野に入れております。今までの米大統領は、経済制裁は実施したものの、軍事的制裁までは加えてません。
ところがトランプは、北朝鮮による立て続けの核実験、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に目くじらを立てております。
シリアやアフガニスタンを攻撃したように、トランプは北朝鮮への先制攻撃を実行するのでしょうか?
先制攻撃
核兵器を保有している国に対して、先制攻撃をすることはあり得るのでしょうか?
先制攻撃のシナリオは、、、
有無を言わさぬ先制攻撃で、北朝鮮の核施設と通信システムを破壊。北朝鮮に反撃の隙を与えない。北朝鮮に対して圧倒的な攻撃を仕掛ける。
このシナリオを現実的に行うことは、至難の業です。北朝鮮による核反撃は常に頭をよぎります。アメリカとしても犠牲を負いたくありません。潜伏しているテロリストからの報復も起こるでしょう。
つまり、北朝鮮への攻撃は、大きなリスクを背負うことになります。もし反撃されたら、犠牲が大きい。
トランプは、このリスクをとるのでしょうか?
もっと、リスクを抑える手立てはないのでしょうか?
トランプに残されているシナリオは、、、
カウンターバランスをとり、「北朝鮮包囲網」を形成して圧力をかける。中国とアメリカの二大大国の圧力で北朝鮮に核放棄させる。
国防長官のマティスは、アジア地域への「カウンターバランス」をとる戦略を練っています(国防長官の戦略)。
これを北朝鮮に応用するとどうなるか?
対北朝鮮対策として日本と韓国の力を増強させたい。そして、この連携を他国にも広げていきたい。そう、もう一つの大国・中国に。
このような状況で、4月7日に「トランプ・習近平会談」が行われました。この会談で、中国が北朝鮮に対して本腰を入れる流れが作られました。
現在、アメリカのペンス副大統領はアジア歴訪中です。
ペンス副大統領は、4月17日、訪問先の韓国で記者の質問に対して次のように答えています。
「トランプ大統領は、北朝鮮の核無力化に向けて中国が朝鮮半島で影響力を行使することを望んでいる」「アメリカは中国だけでなく、韓国や日本などの同盟国と共同歩調をとり、平和的手段を使って北朝鮮の核兵器廃絶を望んでいる。」(Remarks to the Troops by the Vice President with Q&A, Demilitarized Zone, South Korea)
ペンス副大統領の発言どおりに中国が動けば、北朝鮮はアメリカと中国という二大大国に挟まれることになります。そして、周辺国が連携をとり「北朝鮮包囲網」が完成します。
中国がアメリカと組むことには、大きなメリットもあるはずです。
トランプは、選挙中から中国を「為替操作国」と批難してきました。この矛先をかわすことで、中国は経済・貿易でダメージを最小限に抑えることができます。
日韓同盟
北朝鮮包囲網を完成させるには、日本と韓国の役割も重要です。
アメリカにとって、日本も韓国も同盟国の一つです。否応なく、日本と韓国は、北朝鮮情勢で協力をする(させられる)ことになります。
「日韓同盟」という言葉は言いすぎかもしれません。でも、日本と韓国は連携を強めることは確実です。
韓国はサードミサイルの配置しました。これと同じように、アメリカは日本に対して軍事力を増強するように助言をするでしょう。
日本はアメリカから武器を買う。いや、買わざるを得ない状況に追い込まれます。
そして、大国に包囲されつつある北朝鮮は、どのような政治決断をするのでしょうか?
これから、西先生に最新の北朝鮮情勢をお伺いします。
続きはフーヴァーレポートで。
ー岡崎 匡史
この記事の著者
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。