フーヴァーダイジェスト

by 岡崎匡史 May 26th, 2018

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From:岡崎 匡史

研究室より

「フーヴァーダイジェスト」(Hoover Digest)

あなたは、ご存知でしたか?

フーヴァー研究所が発行している論文集です。

春夏秋冬の間隔で、年4回刊行されてます。しかも、フーヴァー研究所の教授陣や関係者が執筆陣。

最新の研究成果だけでなく、日本では報道されることのない情報が目白押しです。「フーヴァーダイジェスト」を読んでいるだけで、あなたも「国際情報通」


フーヴァー研究所が出版しているので、英語が難しいと思うかもしれません。たしかに、難しい。でも、フーヴァーの研究者がなるべく「わかりやすさ」「簡潔さ」を重視して執筆しています。

なぜなら、フーヴァー研究所を支援してくださる寄付者の方々に「フーヴァーダイジェスト」が配布されているからです。学術論文の体裁をとるのではなく、雑誌のように読みやすい工夫がなされております。

もちろん、日本からでも「フーヴァーダイジェスト」を購読することはできます。ネットからでも読めます。

最新の世界情報分析

2017年の冬季号は、31編の論考が寄せられました。

テーマは、「政治」「経済」「労働」「規制」「外交」「テロと防衛」「ロシア」「ヨーロッパ」「イラン」「シリア」「教育」「インタビュー」「歴史と文化」「フーヴァーアーカイブス」から構成されております。

トランプ政権で国防長官に就任したジェームズ・マティスの記事も載っています。

General Mattis Advances on Washington(ワシントンに進軍するマティス将軍)

マティスがワシントンの政治に英知をもたらすという趣旨です。2014年にマティスが下院情報委員会で「イスラム国」(Islamic State)の脅威について報告した内容も紹介されております。

大意を整理すると、、、

アメリカがテロの脅威に対抗していくには、反テロを鮮明とする同盟国との協力が大切だ。中東から米国が退却する印象を与えるのは得策ではない。イスラム国の出現により中東に生じた政治的空白は、寛容で満たされることはない。アメリカはテロリズムに対して断固とした姿勢をとらなければならない。そのためには、強固で首尾一貫した戦略とリーダーシップが求められる。優柔不断であやふやなアメリカの中東政策は、野蛮人の前では文明化された国際秩序を維持することができない。対策が遅れれば遅れるほど敵の勢力は増大し、アメリカにテロを招く脅威となる。

簡単にいうと、オバマ政権の中東政策をおもいっきり批判した内容です。

他に紹介したい記事はたくさんあります。でも、時間が足りない。

「フーヴァーダイジェスト」の日本語版があれば、悩みは解決できるはず、、、

悪貨と良貨

この記事を書いているときに、最新の春季号も出ました。
歴史学者ニーアル・ファーガソンの「米露問題」の論考が興味深い。

海外の週刊誌や新聞の一部は、和訳され日本でも入手できます。

情報源と分析力が圧倒的な「フーヴァーダイジェスト」の日本訳。信頼できる高度な情報源になることは間違いありません。

でも、需要あるのかどうか?

「悪貨が良貨を駆逐する」と言われるように、膨大なマスコミの情報に埋もれかねない。日本の報道自由度は、後退していくばかりです。

「良貨が悪貨を駆逐する」ような時代は到来するのでしょうか?

「フーヴァーダイジェスト」日本語版プロジェクトが始動する日が待ち遠しい、、、

ー岡崎 匡史

この記事の著者

岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。

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岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。