一億総懺悔
文部省は、新しい日本を建設するためには、まず「戦争の責任は国民全体が負うべきであり、国民は世界に向かって深く謝するところがなければならない」と訴えた。
ここでも「一億総懴悔」。謝罪外交の原点である。
「罪を謝するということは、ただ後悔して引きさがってしまったり、連合国軍からの要求を受け身になって、仕方なしに行なうというような、消極的な態度ですまされるものではない」と叱っている。
新日本建設の使命
日本国民は、「自ら進んで、積極的な態度を以てポツダム宣言を始め、連合国軍から発せられた多くの指令を実行し、それによって新しい日本を建設するのでなければならない」。
そうすれば、「悲しみと恥は喜びと名誉に転ずることができる」と『新教育指針』に述べられている。
マッカーサーでさえ、これ以上のことを望むことができなかったであろう。
日本人の弱点?
文部省が「どうしてこのような状態になったのか」と自問しているのは当然である。
文部省は、「日本人の物の考え方そのものに多くの弱点があるからだ」と認識し、「われわれは次にこれらの欠点、弱点をはっきりと知っておかなくてはならない」と教師たちに説いた。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。