１億特攻！１億玉砕！

節操のないマスコミ

「戦え！　天皇陛下のため、皇国のため、１億特攻！　１億玉砕！」と、つい前夜まで、飢え、疲労困憊した国民を鼓舞していたマスコミ（新聞、ラジオ、雑誌）は、惨敗・降伏と同時に、今までの「犯罪」が敵に発かれるのではないかと慄（おのの）き、息を潜めていた。

すると突然、敵将マッカーサーが「言論の自由、報道の自由」を奨励すると宣言した。

恐怖から解放されたマスコミは、恰（あたか）も己の過去を浄化するかのように、「恥」を拭い去るかのように、「日本帝国」「軍国主義者」「国家主義」を攻撃し、「マッカーサー元帥様」と「民主主義」の熱狂的なファンになった。

「真の恥」は、その貞節のない身売りだ。

封建日本を解体せよ

ポツダム宣言には、「言論、宗教、思想の自由、そして基本的人権が確立されねばならない」「日本国民の自由意思によって選出された平和を愛し、責任ある政府が樹立されない限り、連合国軍は日本から撤退しない」と明記されている。

トルーマンがマッカーサーに打電した命令書、「初期対日政策」の中にも、「日本国民の個人の自由、基本的人権の尊重、特に宗教、集会、言論、報道の自由は奨励され、民主的な代議士制度も創設される」「日本国民は、アメリカや他の民主主義国家の歴史、制度、文化、偉業などを学ぶ機会を与えられる」と書いてある。


マッカーサー自身も、同じ考え方だった。

彼は日本を「西洋諸国が４００年も前に捨てた封建社会に近い国」と見做していたので、日本の前途は多難であった。マッカーサーは、降伏直後の日本帝国政府の行動を見て、自分の「日本観」が正しかったと思った。