スパニッシュ・インクイジション
火あぶりをしている側のカトリックから見れば、カトリックに逆らう者たちは異端者なので火あぶりをして当然、という認識です。むしろ「この人たち、異教徒のために、俺たちは良いことをしている。早くカトリック教に戻ってきなさい」という感じだったと思います。それができないのであれば、やはり生きていない方が良いのではないか、という発想だったのでしょう。異端者は悪魔に取りつかれている状態ですから、改宗できない場合はもはや火あぶりしかないのです。
カトリック教会はこれを200年ほどやっているわけです。それも皆さん、数が多いのです。何千人、何万人の世界です。英語で言うとスパニッシュ・インクイジション(Spanish Inquisition)、すなわちスペインによる異端審問というやつです。

ザビエルのミッション
これらはとにかく異端者を殺すために開かれました。このためにカトリックではまず裁判にかけますが、裁判に呼ばれたらもう終わりです。
皆さんが聞きたくないことをお話します。日本ではフランシスコ・ザビエルが有名ですが、彼も大変残忍なことをやりました。例えば彼は日本に来る前にインドにいましたが、インドにはご存知の通り、たくさんの宗教があるわけです。
しかし、ザビエルから見るとそれらは「偶像崇拝をして、何だこいつらは。耐えられないこの異教徒たちめ」となります。そこでザビエルはローマ法王に手紙を書いて、「ここでもインクイジションをやらせていただけませんか」と懇願し、「はい、やりなさい」と許可を得ました。
それでインドにて同じようなことをやりまして、その後に九州へ来たのです。そこを言わないから、「ザビエルが最初のキリスト教の宣教師で日本に来た」で終わっています。彼は日本に対して、あたかも新しい、そして素晴らしい宗教をもたらした人物のように描かれていますが、その裏側もしっかりと理解しないといけません。
観音様
ところで中国には景教という宗教がありますが、これはキリスト教のことです。シルクロードから二千年前に来ました。景教が伝わったのは唐の時代でして、唐によって保護され、中国全土にダーッと広がっていきました。そこに来たのが日本の有名な天才、二人、最澄と空海です。だからあの二人はキリスト教も習って帰ってきました。
観音様をじっと見てください。どこかマリア様に似ていますね。歴史は大きな河と支流でつながっているのです。どこかにぽつん、ぽつんとある訳ではないのです。私たちはそう教えられましたけれど、NO、NO。違います。歴史は流れの中で理解しないといけないのです。ザビエルがポンと日本にいきなり現れたわけではないのです。
西鋭夫のフーヴァーレポート
拷問の歴史(2021年7月上旬号)-6
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

