
From:岡﨑 匡史
研究室より
水は人間の生存には欠かせない。
戦争で水供給システムを破壊することは一般市民に対する非人道的で殺人的な行為だ。
しかし、ひとたび戦争となれば、水道施設を攻撃することは大きなダメージを与え、敵国の兵站は大混乱する。
アメリカの軍略
軍略には、水を制する「制水権」という考え方さえある。
アメリカ軍は、湾岸戦争をはじめイラク戦争ではダムの発電施設を攻撃。
朝鮮戦争(1950~1953年)の際には、「華川ダム」と「水豊ダム」を爆撃し、北朝鮮を混乱におとしめた。
石油と同じく、水は国際紛争で攻撃の的とされることから、水を守ることが熱心に検討され始めている。
水の安全保障
水の安全保障は「9.11米国同時多発テロ」以降、早急の課題となった。
米国政府は水道施設と水供給システムをテロリストからの攻撃から守ることに躍起になっている。
テロリストが水道システムに猛毒を流入すれば、大量虐殺が決行されかねない。
これは、東日本大震災のとき放射線物質が水道水に混入するのではないかと恐れ、ミネラルウォーターが買い占められたことを想起すれば容易に想像できる。
日本は水道施設(ダム・河川)を攻撃から守れるのか。
ー岡﨑 匡史
PS. 以下の文献を参考にしました。
・玉井良尚『制水権』(国際書院、2021年)
・モード・バーロウ『ウォーター・ビジネス』(作品社、2008年)
この記事の著者
 
							岡﨑 匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。
岡﨑 匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。




 
							 
							 
																
 
																 
																


 
										 
										 
										