外圧と憲法

by 西 鋭夫 October 30th, 2025

アメリカの言いなり憲法

ほとんどの日本人は日本の国を良くしたいと思っております。さらにより良い憲法を持ちたいと思っております。しかし、外圧に頼りすぎることにも注意が必要です。私たちではなく、外国に有利になるような憲法、国を売るような憲法ができてしまったら本末転倒だからです。

私から見れば、現在の日本国憲法がすでにアメリカのやりたい放題憲法と言えそうです。70年間、私たちの国はこの憲法によってずっと釘を打たれている感じです。マッカーサーが連れてきた進駐軍ですが、彼らは帰ったのですか。いまだに日本中、あちこちに70か所ほど基地を持っているわけです。その大部分が沖縄に集中しております。


空いている基地やガラガラになった場所もあるのですが、そこも返してくれないのです。アメリカは自分のものだといまだに思っているのです。滞在費の私たちが全て出しているのです。

国防軍を持っていない憲法ですが、これ以上悪いものはありません。だから繰り返し言いますが、私は一度すべてリセットして、新しく書き換えたら良いのではないかと思うのです。

 

国民が考える憲法

では、どうやってそれを作るのか。国民が集まってやるのです。政治家の皆さんには、それぞれが政党などに属していると思いますが、その中で揉んで検討して提案をしたら良い。それを私たちは新聞とかインターネットで見て、読みながらどれがいい、これがいい、これは直そう、などとやるのです。

これを3、4年かけて行う。そうしたら絶対に何か良いものができますよ。情熱と必要性を持ってしっかりと取り組む人たちはたくさんいると思います。そんな人たちの力を借りながら、国民が納得するものを作り上げていくのです。

これをしないと、いつまで経っても部分的で個別な議論が続きます。9条だけ変えるとか、陛下の地位をどうされるかなど、大切な部分ではありますが、それらだけを個別に議論することはとても難しいと思います。国の形、すなわち憲法の全体を私たち自身で考えることが必要なのです。

使われている日本語もまた難しい。マッカーサーの英語を一言も間違わないように訳したからでしょう。日本語としてわかりにくく、読めません。私たちの日本語で、最初から書き直すのです。

 

西鋭夫のフーヴァーレポート
憲法改正(2017年5月下旬号)-3

 

 

この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。