結核とストレプトマイシン

by 岡崎匡史 September 1st, 2025


From:岡崎 匡史
研究室より

結核予防に目覚ましい効果を上げたのは「化学療法剤」である。

1949(昭和24)年2月、結核予防の新薬「ストレプトマイシン」(Streptomycin)が研究用として日本に200キログラムがもたらされた。

ノーベル賞

ストレプトマイシンは、米国ラトガース大学の細菌学者セルマン・エイブラハム・ワクスマン(Selman Abraham Waksman・1888〜1973年)の研究グループによって1944四年に発見された。

この業績が高く評価されて、ワクスマンは1952年度に「ノーベル生理学・医学賞」の栄誉に輝いている。

国内製造

1950(昭和25)年には、ストレプトマイシンの国内製造が許可され、社会保険の給付対象となり普及していく。

ストレプトマイシンにより、結核の死亡率は劇的に低下。

1951(昭和26)年には死因順位が1位であった結核が2位となり、脳出血にその順位を譲った。

1952(昭和27)年5月28日(水曜日)には、1939(昭和14)年と比較して結核患者数が半減したことから、東京で「結核死亡半減記念式典」が挙行された。結核で苦しむ患者は年々減少していき、結核は過去の病気となった。

ー岡崎 匡史


PS. 以下の文献を参考にしました。
・南山堂編『南山堂医学大辞典 第19版』(南山堂、2006年)
・小高健『日本近代医学史』(考古堂書店・2011年)
・クロフォード・F・サムス『GHQサムス准将の改革』(桐書房、2007年)
・厚生省五十年史編集委員会『厚生省五十年史 記述編』(財団法人厚生問題研究会・1988年)

この記事の著者

岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。

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岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。