サンダース vs. バイデン
米国民の皆さんはすでにバイデンさんに認知症疑惑があることを知っておりました。そんなバイデンさんが、なぜ大統領候補になれたのでしょうか。これは興味深い問いかけです。
共和党はドナルド・トランプ候補でもう決まっているわけです。ところが民主党はこれから政権を取ろうというので、民主党の中で15〜16人が立候補したのです。それでディベートをやって、またどれだけ広告費用のためのお金を集められるかなども競争しまして、おおよそ3ヶ月ほどでバタバタと脱落者が出てきました。そして最後に残ったのが3~4人の候補者であり、その中にバイデンさんがいたということです。
民主党の中でもっとも勢いがあったのはバーニー・サンダースさんでした。彼はアメリカではいわゆる極左として知られています。新婚旅行では奥様と一緒にモスクワに行くほどの男でして、それほど共産党が好きなのです。
アメリカにも左翼は大勢おりますから、彼の公開演説には左寄りの若者がウォーッと集まりました。しかし最終的にはどうなったのか。民主党の親分さんたちが出てきて「サンダースは勢いがあっていいけれど、アメリカはそんなに左翼的ではない。有権者の多くは極左でも、極右でもない真ん中である。サンダースを民主党の候補として出すと、トランプにこの真ん中の票を取られてしまう」と考えました。それでその真ん中にいたバイデンさんを候補者にしたのです。
2016年にも同じことが起こりました。そのとき彼はヒラリー・クリントンさんに候補者争いで敗れました。もしサンダースさんが候補者になっていたら、トランプさんは苦戦だったと思います。
米国社会から見たバイデン氏
バイデン候補は、日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。ほとんど報道もないように思われますが、アメリカのマスコミではバイデンさんの認識能力、英語ではコグニティブ(cognitive)と呼ばれますが、その能力が疑問視されております。
彼はまたこの3ヶ月ほど、自分の家の地下室から出てきませんでした。そしてその地下室にてマスクを着用し、ライブ配信をしていました。これを見た米国民はバイデンさんのことを相当バカにしていたように思います。
米国に住んでおりますと普通のバイデンさんがどのような人か知っているわけです。彼は普段、声が細く、顔が青白く、少し下を向いた感じでおります。そんな男が選挙演説や討論の時には急にはつらつとされるわけです。
トランプさんもそこに注目されておりまして、「バイデン、あいつは討論の時には途端に元気になる。あれは何か薬を注射しているのではないか。血液検査をやろう」と持ちかけたこともあります。これにはバイデンさんも最初は「OK、血液検査をやろう」と応じ、トランプさんもそれだったら「自分もやる」と言っておりました。しかし、実際にやるのかと思ったらバイデンさんの方からやめましょう、という申し出がありました。
西鋭夫のフーヴァーレポート
日米同盟の未来(2020年10月上旬号)- 2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。