炉端焼き
トランプさんの大好物はマクドナルドのハンバーガーです。炉端焼きではありません。トランプさんと安倍さんの会食場所、これは外交にとってとても重要な意味を持ちますが、ドジったかなぁと思いますよ。もちろん総理も入念に調べられたのでしょうけれど、まさかマクドナルドに連れて行くのは気が引けたのでしょう。それで六本木の高級炉端焼きに連れていきました。
それでどうなりましたか。皆さん、覚えているでしょう。トランプさんのご婦人の顔です。もう早く出たい、早く帰りたい、というような顔をされていました。箸をつけていないのです。
その時、トランプさんが言われたこともとても印象的でした。「このジャガイモ、美味しいですね」とおっしゃったのです。炉端焼きとジャガイモ、何が関係するのでしょう。この会食会合は成功だったのか、失敗だったのか。ぜひ学んでほしいのもです。
ビック・マック
ここは賛否両論あるのでしょうが、私はこの会合でマックに行っていたら、その後の関係も変わったかなぁと思います。おそらくトランプさんも奥様も「日本のビッグ・マックはどんなにおいしいのだろう」と、期待していたのではないでしょうか。行きたかったでしょうね。
マックはそれほどアメリカ人に愛されているのです。アメリカの食文化の代表と言っても過言ではありません。ロサンゼルスでも、サンフランシスコでも、全米で愛されています。日本のマックに対するイメージは必ずしも良いとは限りませんが、米国では違います。日本を代表する庶民の味がラーメンだとしたら、アメリカは「マクドナルド」なのです。
ヒスパニック
ところが、このマクドナルドにも近年、大きな変化が生じています。アメリカのファスト・フード業界を支えているのが、ヒスパニックと呼ばれるメキシコ系の移民たちなのです。
私はカリフォルニアの現状しかよく知りませんが、レストランに行くとそこの料理人から、給仕のウエイター、ウエイトレスまで含めて、ほとんどがヒスパニック系ですよ。そしておそらく、その半数ぐらいが法律スレスレ、下手をすると違法入国者です。
アメリカの一般的な時給が10ドルとすると、ヒスパニックは「私は5ドルでも、6ドルでも働きます」と言います。雇う方にとってはもちろん、人件費のかからない方が良いのです。そうすると、どんどんとそういう人たちが増えて、もうレストラン関係ではヒスパニック系がいないところがほとんどなくなりました。
西鋭夫のフーヴァーレポート
胃袋戦争(2020年1月上旬号)-6
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。