株式市場の最新事情
皆さんの中にも株の取り引きをされている方がいらっしゃると思いますが、皆さんが考えて、判断しているうちに、AIは百万回のシュミレーションを行い、数万回の取り引きを行っているようです。お友達が教えてくれました。人間が考えてももうダメみたいです。友人が言うには「いまさら株なんかやってもAIに勝てない」とのこと。儲けようと思っても全然うまくいかないようです。
これが事実とすると大変なことになりますよ。株の取り引きをしている日本の大手、なんとか証券と呼ばれる有名企業が幾つかありますが、そうしたところもAIに頼らなければ利益が出せない時代になっていくのです。どんなに賢い人間でもAIに勝てないのですから、これまで優秀だと思われてきたが人材がどんどんと解雇されることもあり得ます。
証券会社といった中間的な存在は淘汰され、今度はAIそのものや、AIをうまく使った人々が、市場と直接やり取りを開始します。手数料も面倒な手続きもなくなるので、効率的でコストダウンになります。そうなると、ますます中間に介在する組織や会社は無くなっていくでしょう。非常に厳しい世界だと思います。
戦略
戦争においても、AIには敵いません。戦争をいつ始めるか、どう戦うか、そしていつどこでどんな兵器を用いるか、あるいはいつ部隊を撤退させるかなど、戦争に関するすべての事柄が細かく計算されて、最適な戦術が生み出されていくでしょう。
相手ももちろんAIを使ってきますから、今度は自国のAIと相手国のAIが互いの戦術を読み合う状況が生まれます。勝つのは、もちろん、より多くの知識と情報を持ち、処理能力に優れたAIです。
ですから、戦争にAIが入ってくると、優秀なAIは人間に助言を求めたりすることはありません。「人間がAIの産みの親なのだから、AIなぞ人間がコントロールできるのだ」と考える人もおりますが、それはもう昔の話です。AIは普通のコンピューターではありません。「バカな人間の言うことなんかもう聞いていられるか」と考えております。勝つ方法を知るAIは、人道に外れようが、勝利のためには何でも行います。
疲れ知らずの頭脳と体
将棋やチェス、碁の世界でも、今やAIの実力は相当なレベルまで上がっております。それぞれの分野で天才と呼ばれる人たちとAIとの戦いが楽しみです。人間はどこまで善戦出来るか、という状況になっていくと思います。
AIは電源が確保されている限り、その能力を永遠に発揮します。人間のように疲れません。文句も言わない、ブラック産業も大好きです。消費電力という点でも、おそらく最新のAIは、人間よりもはるかに節電、省エネでしょう。
最近になって聞いた話ですが、AI同士で対話をしたら、対話を行う2つのAIはどんどんと進化するのだそうです。それぞれの持っている情報を交換し合うわけでしょう。想像を絶するような知能を持つAIが誕生するのも間近だと思います。
西鋭夫のフーヴァーレポート
AI戦争と監視社会(2019年4月下旬号)-6
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。