メイド・イン・チャイナ
民主党政権で疲弊した米国経済によって、多くの中産階級がボロボロと音を立てて崩れ去っております。そんな中、中国製の安い商品が米国民を魅了しておりました。家計にとってはいわば救世主です。
しかし中国産は品質が良くない。すぐに壊れるため評判がよくありません。最近ではさらに、中国製のテレビや携帯には「マイクロチップ」が仕込まれており、そこから情報が抜き取られているのではないか、という噂が広まっております。
本当のところは何も分かっておりませんが、この手法は商品にあらかじめ情報工作部品を仕込んでおくという点で、新手のサイバーテロと言えるかもしれません。米国内では中国製品に対する不買運動が広まっております。
サイバー攻撃の利点
サイバー攻撃がすごいのは「攻撃をしている相手が分からない」という点に集約されるのではないかと思います。サイバー部隊は攻撃を受けたなら、すぐにでも追跡を開始するでしょうが、それさえも難しい世界です。
米国の場合ですと、攻撃をしている人までは分かりませんが、どこの国のどの建物からか、くらいまではわかるようです。建物が分かれば、その中に何があるのか調べがつきますから、どのような組織が絡んでいるかはおおよその見当をつけることは可能でしょう。
場所が特定できたなら、今度は逆にそこに対してサイバー攻撃を仕掛けます。そして相手方の動機や目的などを抜き取ろうとします。
最大の脅威とは
私たち一般人からすれば、サイバー攻撃を受けたとしてもそれが単なる故障なのか、攻撃を受けたのか、分からないと思います。そこが恐ろしいところです。個人レベルでは被害は最小でしょうが、それがインフラ設備だと話は異なります。
日本において一番怖いのは原発や交通関連施設、さらには浄水施設にかかわるところへのサイバー攻撃でしょう。例えば新幹線はものすごいスピードで交差して行きますが、あの信号がちょっとでも狂ったら大惨事です。原発では、熱を冷やすための水が絶えず流れておりますが、それがサイバー攻撃によって止まってしまったら終わりです。
とはいえ、サイバー攻撃の目的や動機が気になるところです。単にお金儲けであれば、わざわざ新幹線や原発は狙わないでしょう。その場合の標的は、大手の銀行だったり、個人情報がぎっしりと詰まった携帯会社だったりするのではないでしょうか。
西鋭夫のフーヴァーレポート
サイバー戦争(2018年3月下旬号)-2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。