倒された独裁者に共通すること

by 西 鋭夫 October 27th, 2021

核実験


北朝鮮は核実験を繰り返しております。実験を繰り返すごとに、北朝鮮の核技術は向上していきます。

実験ですからもちろん核弾頭は装着しておらず、ミサイル発射を行っております。日本海に打ち、日本の山脈、アルプスを越えて太平洋に落ちるなど、日本はその度にもう「ハラハラ」、「ドキドキ」、「真っ青」の状態です。北朝鮮から見ると、「日本なんてのはこんなもんだ」の世界です。そして、「何か打ち返せばいいのに」と内心は考えているのではないでしょうか。しかし、それは出来ないと知っている。アメリカも黙って見ています。「今、飛んでいる」としか、言いません。


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ミサイルと核弾頭を持っているというのは、私たちのお隣りに実弾が入った拳銃を持ったおっちゃんが座っているのと同じです。目を合わせたら撃たれそう。すでに私たちは、恐喝され脅しを受けている状態です。


核を持っている否か


アメリカは核を持っていない独裁者を倒しに行きました。アラブの独裁者で殺された者は全員、核兵器を持っていませんでした。イラクのフセイン大統領もそうでしょう。

一方、北朝鮮は異なります。潰したいと考えているが、手が出せない。出すと自分のお友達の日本、それから韓国、下手すればフイリピンまで失うと考えている。沖縄も完全に潰される。だから、手を出せない。

北朝鮮も文句があるのだったら「言ってみろ」と強気になっていますが、言葉で文句を言えても、何もできていない。現在の北朝鮮はそれほどの力を持っています。今後もどんどんと力をつけていくでしょう。これはもう、日本が抑えられるような世界でありません。アメリカにもできない。


幻想への盲信


戦後教育を受けてきた私たちは「国連神話」といったものを盲信している状態です。平和や人道というものを信じ切って育ってきましたので、北朝鮮のようにギラギラ光る刀を抜かれると、怖くてしょうがない。

しかし、人道的な立場を重視していますと散々言っている世界の超大国は戦争し放題です。その代表的な例は、私たちのお友達であるアメリカです。日本と戦った後から、今日までずっと戦っています。

戦争をしなかった年はないのではないか。そんな国と手を組んでいる日本が、人道的な立場から物を言うのはどこか違う気がします。弱肉強食のこの世界で、人道的な立場や理性を重視して政策を作り、その通りに世界が動いたことは歴史上一度もありません。平和を築いてきたのはいつも強い軍隊です。



西鋭夫のフーヴァーレポート

2016年10月上旬号「北朝鮮の恐喝外交」-1




この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。