総理のハワイ訪問
オバマ大統領による広島訪問を受け、安倍総理は恩返しをする必要が出てくるかと思います。これは外交の鉄則です。ではどのような恩返しが求められているのか。私は、総理がハワイの真珠湾を訪問することだと考えています。今年(2016年)の12月に真珠湾攻撃75周年式典がオアフ島のアリゾナ記念館で行われます。この式典に参加すべきではないか。
本来であれば、総理はオバマ大統領の広島訪問に関係なく、できるだけ早く真珠湾を訪問され、アリゾナ記念館にて黙祷を捧げたらよろしかった。それだけでもう、アメリカと日本の間にある氷山がサッと溶けます。
アメリカでも大ニュースになるでしょう。それは謝罪というより追悼であり、鎮魂です。
真珠湾攻撃の様子
西ゼミでの真珠湾訪問
私のゼミで、以前12、3人ほど学生らとともに真珠湾に行きました。そこで、全員並んで整列し、私が「礼」と言い、全員が深く礼をしました。記念碑に名前が彫ってある白い大理石の前で行いました。
あたりはアメリカの白人たちや旅行者でいっぱいでしたが、私たちが並んだのと同時に誰も動かず、シーンとした時間が経ちました。礼をして、振り返ると周りにいた白人のおじいちゃん、おばあちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃんはニコっとしていました。
嬉しかったのでしょう。私たち自身も気持ちがよかった。小さな行為ですが、それは禊とでも言えるものでした。これを一国の総理が行うとすれば、そこには非常に大きな意味があると思います。総理が真珠湾を訪問されたなら、アーリントン国立墓地などにも足を伸ばすと良いでしょう。
日本人への追悼
真珠湾やアーリントン墓地だけではありません。日本人の多くが眠るアジア地域にも進んで足を運ぶべきでしょう。天皇皇后両陛下が、南洋諸島をご訪問されるわけです。
硫黄島にも、ペリリュー島にもご訪問されました。日本のリーダーたちは、陛下に見倣って欲しい。後をついていくだけでも良い。
自分の国のあり方やその歴史に、責任を持って向き合うことができないリーダーは世界からの信頼を得ることはできません。陛下が見本をお示しになって下さっていますから、日本のリーダーの皆さんは真似をして欲しい。国民に頭を下げるべきだと私は思います。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2016年5月下旬号「オバマ大統領による広島訪問」-6
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。