ブルー・プラネット
地球は太陽系の中でも水が非常に豊富な星で、ブルー・プラネットと呼ばれております。しかし、地球全体で考えると、水は無限ではありません。
地球上には約13億6,500立方メートルの水が存在しております。ところがその大部分は海洋の塩水です。淡水、つまり真水は2.5%と非常に乏しく、そのほとんども氷河や氷雪、永久凍土として存在しております。
地球上で人類が利用できる淡水はわずか0.1%です。人類が使える水の量を考えると、水が貴重な資源だということがわかります。
生命の源
人類が利用できる淡水が0.1%しかない一方で、人間には1日一人あたりどのくらいの水が必要なのでしょうか。
清潔で人間らしい生活を送る上では、一人あたり1日100リットル、最低でも50リットルが必要だと言われています。世界保健機構やユニセフの基準では、居住地から1キロ以内にある水源から1日20リットルの水を確保することが、生活にとって必要最低限だと定めております。
入浴や洗濯などの衣食住を考慮して、一人あたり1日50リットルなどと算出されています。地球上では今、11億人もの人々が1日5リットルで暮らしております。その一方で、日本人一人あたりの水使用量の平均は319リットルです。日本人は湯水のごとく水を使っております。
免疫力
私が子供の頃に疎開した岡山の小さな町には、水道はありませんでした。代わりに、井戸と川がありました。井戸では、釣瓶で木の桶をドーンと落として、水を汲んでいました。手押しのポンプもありました。ガチッ、ガチッと手動ポンプで水を汲み上げて、竹の筒を半分に割ったものでお風呂に水を入れたりしていました。川でも泳ぎ、喉が乾いたら、その水を飲んでいました。
井戸水も、川の水も消毒された水ではありません。しかし平気でした。今の水道水は非常にきつい臭いがします。薬を使って、バイ菌を全て殺しているからです。
これが本当に健康に良いことなのか。衛生的ではあるかもしれませんが、人間の免疫力は本当に弱くなった。ちょっとやちょっとでは病気にならなかったはずの日本人が、自然に対してとても脆弱な存在となりました。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2016年2月下旬号「水戦争」− 2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。