燃え尽き症候群
日本の教育は、人をつくる教育ではなく、ロボットをつくる教育です。今のような世界になりますと、本来であれば、応用の効く本当のリーダーやグローバル社会の中で実際に動ける人材を育てる必要があります。しかし、現状はマークシートにて人の能力を測っているのです。
日本の皆さんにはっきり言いますが、このままだったら日本の教育はやめたほうがよい。続行しなくてもいいです。やめると、私たちは強くなります。現状は、悪い注射を毎日、打たれているような感じです。
5~6歳のときから入試を受けるために18歳までずっと来て、18歳でガラパゴス諸島(日本)の名門大学に入ると、多くの学生たちはそこで息切れ。同時に、やる気までなくなってしまう。あとは、ぼーっとして暮らすか、アルバイトするか、デート三昧するか、それとも家に引きこもってゲームをやるかです。これはもう大騒動です。
それを知らない永田町なのか? それを知らない文科省なのか?
みんな知っています。でも変えない。なぜか。それは、権益があるからでしょう。官僚と政治家と学校産業のどこかで、お金が動いています。それゆえ、何も変えずに現状維持のほうが都合が良い。変えてしまうと、自分たちのところにお金が入ってこなくなるわけです。
大学教員の怠慢
日本の教授も甘え腐っております。私も日本で教育を受けましたから、非常に腹が立っているのです。日本の教授は、「よくもあれだけ、休講しやがるな」と。
月曜日の朝に来ない。金曜日の5時限目に来ない。休講する。ある学校で私は教えましたが、休講を張り出す大きなボードがありました。しかし、休講の数はそのボードでは足りなく、ボード自体を延長せざるを得ない状況になっていました。休講の垂れ幕です。それを見た学生が、拍手をしているのです。授業がなくなったと。
お父様・お母様は授業料を払っておられますが、一度校内に入ってこられて張り出してあるところを見てください。ずっと休講をする先生がおりますが、この人たちは首になりません。私はアメリカの学校が長いです。休講なんか一度もなかったです。
真剣勝負の世界
プロの意識で、お金をもらった後に先生がバッターボックスに立たないというのは許してもらえません。肺炎で倒れると、救急車があるからそれで来いというぐらいの勢いです。学校がある間は、皆さんは病気をされません。学生も休むと、先生にひどい目に遭わされます。
大学の授業を休むということ、休講にするということは、本来の職務を投げ出すということ。つまり「試合」に出てこなかったということです。
緊迫した状態で勉強する国と、日本のように18〜22歳までほぼ出席しなくても卒業できる国。この差は大きい。日本は大敗するでしょう。
休講を許す大学と、その大学を許す文科省は、大問題です。商売としても、下手すぎて目もあてられない。
西鋭夫のフーヴァーレポート
2015年8月下旬号「大学ランキング」− 2
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。