隣国からの恫喝

by 西 鋭夫 August 29th, 2019

平和ボケ

韓国には日本をアレルギー的に嫌う人もかなりいる。日本の音楽、映画、日本語の本、日本の車等を輸入禁止にしている国だ。なんとか日本をやっつけたいと思っている人もいる。日本の朝鮮半島植民地化に対する復讐をしたいのだ。


北朝鮮はよりいっそう激しい恨みを持っている。ついこの間まで、日本海へミサイルを撃ち込み、日本に恐怖の念を駆り立てんとしていた北朝鮮が、突然「米をくれ」と言ってきた。

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「食べる物がないのに武器に使う金はあるのか」。平和ボケの日本政府はその当たり前の質問はせず、「人道的な立場」から北朝鮮に30万トンの米を送ることを決定した(100万トンというウワサも流れている)


手柄の横取り

日本政府は、北朝鮮に公然とナメられているのだ。というのも、北朝鮮の核開発阻止の目的のため、すなわち、北朝鮮の狂暴性を抑えるため、日本が北朝鮮と話し合いをする用意をしていたら、アメリカが強引に割り込んできた。


「米朝会議」というが、その話し合いの内容は日本の国防やアジアの安全についてであるので、日本が話を進めていくのが筋であったのだが、アメリカが入り込み、北朝鮮と話をつけた。北朝鮮もアメリカも日本が出る幕ではないと思っている。


割り込んできたアメリカが悪いのではない。日本が情けないのだ。この屈辱には上塗りがある。北朝鮮に軽水原子炉を建設するために(原子爆弾・水素爆弾を造らない代わりに)、日本がカネを出すことを北朝鮮とアメリカが決めた。


アメリカの言いなり

日本政府が、日本国民が、大反対するかと期待してみたが、脅しに弱い日本の姿をさらけ出しただけだ。これに味をしめ、北朝鮮は日本に「コメ」を出せと言ってきたのだ。日本は出した。アメリカはニタリだろう。


アメリカは日本が根性のない国という事実をアジア全土に知らしめ、アメリカが「力」を持って、日本をもあやつるのだと大宣伝している。さらに平成8(1996)年の春(3月)、台湾の総統選挙の真っ最中、中国は実弾射擊の威嚇を台湾海峡で行い、日本国民を強度の不安におとしいれた。


クリントン大統領は待ってましたとばかり、日本の基地に停泊している第7艦隊に台湾海峡への出動命令を出した。「中国よ、あまり調子に乗るなよ」とのアメリカからの圧力だ。それで事態は収まった。





西鋭夫著『富国弱民ニッポン』
第4章 富国日本の現状−3





この記事の著者

西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。

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西 鋭夫

西 鋭夫

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。