From:岡崎 匡史
大阪より
年に2ヶ月間しか開館されない私設博物館がある。
それは、「南蛮文化館」。
開館期間は、5月1日から5月31日。
そして、11月1日から11月30日迄(月曜日は休館日)。
気候が安定している5月と11月のみしか、文化館は開館されない。
もちろん、館内は撮影禁止。
場所は、大阪の中津駅から数分の場所にある。
西先生の大阪公演の合間を縫って、ようやく念願の「南蛮文化館」を訪れた。
南蛮屏風
なぜかというと、「南蛮屏風」をじっくり観たかったからだ。
日本に現存する「南蛮屏風」は、70点ほどある。だが、静かな環境で「南蛮屏風」を鑑賞できるのは「南蛮文化館」だと人づてに聞いていた。
私が訪れたときは、数人しか訪問者は居ない。
絵画や漆器、地図や書籍、マリア像や十字架、キリシタンに関するこれだけの作品群が、東京の上野にあれば、連日、人でごった返しているところである。
おそらく、民間で多くの貴重な南蛮コレクションを所有してしるのは、「南蛮文化館」であろう。
イエズス会と日本
「南蛮屏風」は、当時を実際に見た者でしか、描くことができない情景がある。
屏風をじっくり観ると、南蛮船の来航だけでなく、黒人奴隷も描かれている。
織田信長は、弥助(やすけ)という黒人奴隷を家来として召し抱えていたことでも有名だ。
さらに、祈りを捧げる宣教師。そして、南蛮寺の様子まで描かれている。
南蛮寺は、イエズス会が京都に建てた教会だ。
南蛮寺の絵には、宣教師が正座をしており、聖杯を捧げている光景がある。
この聖杯が、茶道に影響を与えたのだろう、、、
11月は残り少ない。
キリシタン文化に興味のある方は、一度、訪れてみてはいかがだろうか。
ー岡崎 匡史
この記事の著者
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。