From:岡崎 匡史
サンフランシスコ空港より
飛行機に乗る度に思うことがある。
本当に、この飛行機で大丈夫なのかと。
私は、かなりの心配性なのだ。
というのも、テロに何度か巻き込まれたことがあるので、身を守れるように常に用心をしている。
武器の帯品
しかし、私の運動神経では、護身術や武器の携帯は逆効果。
だから、外出するときは、カギと一緒にホイッスル(緊急用の笛)を持参している。
訓練をしていないと、事件に巻き込まれたとき、人はとっさに大きな声を出すことができないものだ。警戒や危険を知らせるために、笛を吹くことが効果的である。
群衆がパニックに陥ったとき、笛を吹いてから指示を出すと、うまく誘導することもできる。
地震が起きて、部屋に閉じ込まれてしまい、助けを呼ぶときも人間の声では限界がある。1時間も大声を出していたら、喉が枯れてしまう。
地震ではないにしても、アメリカのエレベーターはよく停まるのだ。そんなとき、手元にホイッスルがあると心強い。
護身術
私の体力では、護身術は無理だと思っていたが、先日、スタンフォードで無料の護身術のクラスが開かれた。
講師は、イスラエル出身の元警察官で爆発物処理班の精鋭。
常に戦争が間近にあるイスラエル出身の警察官だけあって、性悪説にもとづいている。身を護り、すぐ危険な場所から離れ、逃げるための実践的な訓練。
強盗にあったとき、攻撃と防御を同時にして、難を逃れるにはどうすべきか。
リスクマネジメントに基づいた行動をたたき込まれ、被害者にならない対策を心がける。
あたり前のことだが、はじめての場所にきたら、避難経路や火災報知器などの場所を常に確認。事件が起きた際に、逃げるルートを確保しておく。
怪しい人物がいたら、相手の目を見て、弱々しい態度をとらない。
スリや強盗の心理からすれば、弱そうな相手をターゲットに選ぶ。
エレベーターや電車やバスでの乗車位置にも気をつける。
窓側の席ではなく、通路側にすわる。
もし、窓側に座っていて、囲まれてしまったら、逃げられなくなってしまう。
窓を破って逃げるのは至難の業。
だから、常に入口に近いところに陣取る。
最後に、当然のことだが、危険な場所には近づかない。
「群衆に交わらず雑踏に混せず」
これが大前提。
ー岡崎 匡史
この記事の著者
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。
岡崎匡史
日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。